最強の法則2003年5月号

自分でも気づかんうちに「オッズフェチ」になってまへんか~(^^;)

今月は馬券を離れて「メンタル面」の話を・・・

 今月は、ちょっと馬券の話を離れて、メンタル面(精神面)の話でもしようかと思います。

 「どうしょう…買おうか、買わんとこか…」
「買おうと思ってんけどなぁ…、買うといたら良かったわ(xx;)」
「やっぱり見送りが正解やったんかぁ…(**)」

 こんなセリフ…誰もが毎回漏らしてるんやないでしょうか。もちろん私かって毎回のように漏らしてますよ(^^;。

 馬を選び、馬券の種類を選択し、買い目を決定する。

 一枚の馬券を購入するまでのプロセスの中で、色んな場面で、何度もメンタルな部分が影響します。そして確実に結果を左右します。

 普通に競馬してて、メンタルに影響を受けんまま買う馬券なんて、滅多に存在せんのとちゃいますかね。

 競馬に限らず、バクチっちゅーもんにはメンタル的な要素は付きモンです。とくに丁半博打やバカラなど、賭けの対象が右か左か、裏か表か二者択一になるほど、最終決断を下す時にメンタル的な要素の占める割合が大きくなると言えます。このメンタルに関しては、私の単行本の方でも、「勝ちたいんか、楽しみたいんか」ってことでイヤっちゅーほど書いたように記憶してます。『どう鍛えるか』みたいな話は “慣れ”しかないと思てますんで、正味のところアドバイスする事もできません(^^;。

 まぁ、他人様にアドバイス出来るほど、私自信もメンタルの強い人間じゃないですけどね(^^;。けど、複勝コロガシに関してだけやったら、他人様に少し参考になる部分もあると思いますんで、今回はその辺についてちょっと書いてみようと思います。

なぜQさんは「消し目君」なのか?

 私の単行本を読んで、複勝コロガシを実践しだした人が多いと聞きます。でもそのうちの7割程度はすでに断念されてるとも聞きます(^^;。

 先日、私の『にこちゃん出馬表』を使ってくれてる、とある会員さん(以降Qさん)と複勝コロガシについて話す機会がありました。その方はけっこう古くからの会員さんなんですけど、このほど本格的に複勝コロガシに取り組まれるようになったそうです。Qさんの馬券の特徴は、『買えば来ない、見送れば来る』と、ほとんどがこんな感じで、まさに裏目が服を着て歩いてるような人間です(^^;。そのことについては、本人も非常に悩んでおられました。そんなQさんは、仲間うちでは、彼と同じ買い目やと、ほぼ間違いなくハズれることから『消し目君』と呼ばれるようになったそうです。

 そう呼ばれるようになった彼は、何を思ったか今度は人の買い目を聞き出し、わざと同じモノを購入して、人の馬券を紙屑に変えてしまう嫌がらせをし、ついには『貧乏神』とさえ呼ばれるようになりました。逆に、彼の買い目を外して買えば、ほぼ間違いなく的中できる利便さも持ち合わせてるんで、今ではみんな彼の買い目を聞き出し、わざわざその組み合わせだけを外して買うらしいですわ(^0^)。

 まぁ冗談はこのへんにしまして、Qさんは、何度複勝コロガシに挑戦してもうまく転がらず、裏目裏目ばかりの『消し目君』やそうですが、話してるうちにその原因の多くが『メンタル的な要素』と判明しました。たぶん複コロを試して挫折した人も、彼と同じようなことが原因で断念したんやろなと感じましたんで、それを紹介します。ここから先は個々の予想レベルは同程度とゆう仮定の上で話を進めていきます。

 まずはQさんの場合から。

【パターン1】
 予想に入る直前の段階、つまり出馬表を見た段階で1頭の馬に目が行きました。その馬は前走のレース振りから、次走は狙てみようとチェックしていた馬やそうですわ。この馬の複勝オッズを確認すると4番人気で1.9倍~でした。その後に予想が始まります。メンバー構成、調教、パドック、馬場状態、脚質等、彼の持ちえるファクターを総動員しての予想が始まります。そして結論が出ました。彼が出した結論は、
 「3着以内は間違いなさそうやな。けど、もうちょっと人気が無いって思ってたのに、1.9倍~じゃモノ足りんな…、2.5倍くらいあれば買うのになぁ。どうしよう…」
 結局、彼は見送る事にしました。結果は2着に入り、払い戻しは210円で確定しました。これがいつもの見送れば来るパターンです()。

【パターン2】

 前略…。この馬の複勝オッズを確認すると7番人気で2.7倍~でした。その後に予想が始まります。メンバー構成、調教、馬場状態、脚質等、彼の持ちえるファクターを全て使っての予想が始まります。 そして結論が出ました。彼が出した結論は、

 「おぉっ!もっと人気やと思ってたのに、けっこうつくやん(^^)。もしかしたら3着以内は危ないかも知れんけど期待値重視や。こいつは買うでぇ~( ̄― ̄)ニヤリ」

 そして彼は買いました。結果は4着、ドボンです…。これがいつもの『買えば飛ぶ』パターンです()。

 もしも私の場合なら…

【パターン3】
 予想に入る直前の段階、つまり出馬表を見た段階で1頭の馬に目が行きました。その馬は前走のレース振りから、次走は狙てみようとチェックしていた馬です。まずは予想。メンバー構成、馬場状態、脚質等、私の持ちえるファクターを総動員しての予想が始まります。そして勝つ可能性があるか考え、勝つ可能性はあると判断しました。その後、オッズを確認します。この馬の複勝オッズを確認すると1番人気で1.2倍~でした。そして結論を出します。私が出した結果は、

 「思った以上に人気やなぁ…。1.2倍~じゃ手が出んわ(‥;)」

 そして私は見送る事にしました。結果は1着。払い戻しは130円で確定しました。これが私の見送るパターンです。

【パターン4】

 前略…。その後、オッズを確認します。この馬の複勝オッズを確認すると1番人気で1.3倍~でした。

そして結論を出します。私が出した結果は、

 「1.3倍~かぁ、よっしゃよっしゃ、まぁそんなもんやな(^^)」

 そして私は購入しました。結果は1着。払い戻しは130円。これが私の買うパターンです。

 さて、Qさんの場合と私の場合とを比べて何が違うか、読者の皆さんはおわかりでしょうか。予想のレベルが同じならば、勝つか負けるかは単純な部分、つまりメンタル面の違いなんです。単行本の方でも書きましたが、私の場合、買うか買わないかのターニングポイントを『1.3倍』に設定しています。

 この1.3倍とゆう数値は、Xレース中にY回的中させればチャラになるとかプラスになるとか、的中率や回収率的な部分から設定してあると思われがちですけど、そんなややこしいモンじゃありません。

 自分が自信を持って予想した馬のオッズを確認したとき、最も出現回数の多いオッズがこの『1.3』という数字やっただけの事です。これ以上の数字を求めると、見送らんといかんレースばかりになってしまいます。

 こうゆう理由から、自分が購入する際に折り合いがついたオッズの最低ライン、つまり実践に照らし合わせて自然に設定されていった数値なわけです。(なお、例外として1.2~1.7倍くらいと幅が大きければ、確定後に1.3倍程度になることを見越して購入する場合もあります)

 けど、この1.3倍とゆう数字が複勝コロガシを成功させるために大きな意味を持ってたことを、Qさんとの会話で知る事になりました。

実はQさんは「オッズフェチ」やった!?

 私の場合はまず予想に入ります。そして勝つ可能性がある馬が見つかれば、次のステップとしてオッズを確認する作業に入ります。ここで1.3倍に達していれば『買い』、達していなければ『見送り』と、ターニングポイントを設定してることで、買うか買わないかは簡単に結論が出てきます。大事なんはココやったわけです。

 このように買う馬が決定するまではメンタル面の影響を受けますけど、買う馬が決定した時点から購入するまでにはメンタル面が影響を及ぼす部分はほとんどありません。

 Qさんの【パターン1】の場合など1.9倍~もあるんで、私やったら「そんなに付いてもええの?」って感じに、満面の笑みを浮かべて(^-^)買いに行くとこですわ。ところが彼の場合は、「自分の自信度と期待値を天秤に掛けたら1.9倍じゃぁモノ足りん」となるわけです。

 【パターン2】になる場合の多くは、買いたい馬が安くて、他の馬に乗り換えた場合や、買いたい馬がいないまま、オッズに惹かれて気に入った馬を買いに走った結果です。

 なんで自分の見送った馬が馬券になって、買うた馬が馬券にならんのか…。なんで自分は『消し目君』になってまうのか。ここまで話すうちに原因はハッキリし、彼も納得してました。いや、彼はほんまは以前から気付いていたんやと思います。けど、その事を自分自信で認めんまま、今までずっと競馬をしてたんです。彼は結局、ただの「オッズフェチ」やったわけです。ちょっとでもええ配当へ目が行ってまうだけのことなんですわ(^^;。

 おまけにハッキリとしたターニングポイントが無いんで、買うか買わんかはいつも自分のメンタル次第、気分次第なわけで、その馬に対する自信度よりも何よりも、真っ先に優先するんが『オッズ=色気』やったわけです。これが本当の原因なのに、『自分の予想の精度やったらこの程度の期待値の馬を狙わんことには…』と、当たらん原因を運の無さとすり替えて、自分自身を納得させてたみたいです(;)。

 確かに、その気持ちはワカランでもないです。私もちょっとでもエエ配当を当てて、早よ膨らませたいと思いますわ。けど複コロっちゅうモンは、当ててる間は勝手に膨らんでいきよるモンなんです。それがわかってたら、なんも焦ることなんか無いわけです。彼のように理解してそうで、実は理解できてへんまま複コロを実践し、そして挫折していった人は多いと思います。

 自分は今何をしとるんか…?  自分が今、複コロをしとるんなら、ちゃんと複コロに対しての自分の目標を持ち、そのためにするべき事を把握しとく必要があります。

 そのためにはまず『オッズフェチ』を矯正すること。オッズとゆうモンは、予想した結果の産物くらいに思ててちょうどエエんです。その上で自分の予想に合ったターニングポイントを設定していけば、もっと確実にGETしていけるはずやと思います。すべてはメンタル面を矯正することで済む問題ですわ。

 私の場合、どうしても例が複コロになってしまいますけど、普通に馬連やら3連複買ってる方にも、同じようなことがいえるんとちゃいますやろか?

 例えば、グリグリの1番人気の馬が存在するときに、貴方はソコソコ人気のないの穴馬を発見、その穴馬と人気馬の馬連でイケルと予想したとしましょう。たぶん20倍程度はある(-☆)キラリ、と踏んでオッズを見たら10倍を切るオッズしかなかった場合…。急にその組み合わせが気に入らんように思えてきて、切り捨ててしまったってことがあれへんですか?この症状が見られる人は間違いなく『オッズフェチ』です(^^;。

 これじゃぁ予想もヘッタクレもありまへん。ただの『オッズフェチ』が自分の気に入るオッズを漁ってるだけの状態ですわ…(;)。 メンタル面を鍛えるのは難しいかもしれんけど、矯正する程度やったらそんなに難しい事やないと思います。

 自分の馬券の結果にメンタル面がどれだけ大きく作用しているか、言い訳なしで、冷静に素直に、見つめなおしてみるのもエエモンやないかと思います。それだけで勝てるようになるんやったらこれはホンマに儲けモンやと思いますよ。

恒例?興味ないけどG1の見解を少し・・・

 天皇賞も皐月賞も、現時点では何が出るか知らないというか、あんまり興味がないんで何ともいえんのですが、時期的にこうゆう話題をちょこっとでも混ぜとかんといかんとゆうことなんで、ほんのちょびっとだけ触れておきます。

 まず、天皇賞は4歳馬抜きには語れんと思います。どの馬が強いってワケではなく、5歳馬以上の層がかなり貧弱になってきてると感じてるんで、そういう意味で4歳馬を抜きに語れんと思ってます。

 皐月賞に関しては3月号でも書きましたが、ほんまに混戦状態やと思てますんで、勝ち馬の気配は見えませんけど、白梅賞のネオユニヴァースの勝負根性には感心する部分が。混戦になったときには、ああゆう部分が役立つんかもしれないと思いました。