最強の法則2004年6月号
なんとなく「ダービー&オークス見解」今回だけは禁じて発動!
いよいよ本誌もダービー、オークスモードに突入し、今回は関連の特集企画をビシバシ立ち上げている。
そんななか、困ったことがひとつある。
それは「木下のダービー、オークス予想が知りたい」という多くの読者の声。
長年読んでいる方ならご存知の通り、木下は、GⅠだからといってとくに興味は示さない。どころか、興味がなさすぎて出走する有力馬の名前もまともに知らない。
だからシーズンには毎回、無理やり聞き出した「なんとなくの見解」を本文の最後に本の数行付け加えるだけ。
「予想はしない」ことを広言しているから仕方ないといえば仕方ないのだが、読者のニーズは高い。まさにジレンマ!?
そこで。今回は編集部として断固たる手段に出た。つまり「木下に無理やりレースのビデオを見させて、そこで感じたものを聞き出して原稿にする」というもの。この連載は、毎回木下の自筆原稿が売りだが、今回ばかりはGW進行で時間もないし、禁を犯して取材原稿にした。というわけで、ダービー&オークス号ならではスペシャル企画、
「木下のなんとなくGⅠ見解・エクセレントバージョン!」しかも、「結論」だけは袋とじにもってくセコイことまでやってしまいました。読者の皆様、ゴメンナサイ&乞うご期待!
まずは皐月賞をチェック
というわけでまずは皐月賞だが、いきなり見解というのも味気ないのでまずは、馬券の話から振り返ってもらいましょう。
「(4月17日)土曜日の朝、グリーンチャンネルで中山の馬場を見たら、ムチャクチャええんですわ~。こりゃ前残りかなと思ってレースを見ていたらやはりそうで、次の日も同じでした。だから皐月賞は、前残りの予想をして、3連複いただきましたわ(笑)。といっても、いつもの複コロとは別に少し買っただけですけど」
点数はわずか6点だと。これで配当2万610円。参りました。で、予想は?
「まあ前回の原稿でも書いてますけど、コスモバルクは能力的に一歩リードしていると見ていたので、軸はこの馬。ダイワメジャーは、デビュー戦でUT馬にチェックしてました。初戦でUT馬のチェックが入いる馬は、GⅠで好走することが多いんですわ。メショウボーラーは短距離馬との見立てでしたが、前残りの馬場だから加えました。今回でけっこう距離が持つだなと思って、ちょっと評価を誤ったかと反省しています」
皐月賞馬をデビュー戦、しかも負けたレースでチェックしていたのか。読者のニーズも高いわけである。オレ(筆者)だって聞きたい。さておき、肝心の皐月賞のレースの内容自体はどうなのか?
「なかなかいいレースだったんやないですか? まあスローとまではいわないまでも、それに近い前残りでしたけどね」
筆者は、あまりに騎手がノンビリしていたことに不満を述べたが、 「“テンの5Fが62秒かかりましたと”いうのならまだしも、59秒台では、乗っている騎手もそんな遅くは感じないかも・・・・・・」
なるほど、確かに時計だけ見れば、スローとは思えない。いくら前残りの馬場とはいえ、それなりの時計、馬の特性を考えたら、騎手もなかなか動けないのか? ともあれ、勝ったダイワメジャーは?
「スローで勝ったと思ったら危ないと思いますわ。この馬は、例えばテイエムオーシャンなんかに似ていて、ある程度のペースでいってさらにもう一段階スピードを上げて走る馬です。だからスローでヨーイドンの瞬発力勝負は向きません。でもダービーは、そこまでスローにはならないでしょう。距離ですか? 2400も持つと思いますわ」
では皐月賞上位組で決まってしまう?
「うーむ、今年は皐月賞はメンバーのレベルは高かったですが、レースに参加したのはわずか6、7頭。上2頭はともかく、他の馬はこの結果だけで切り捨てるのは危険すぎると思ってます。とくに後方で終わった馬はレースをしてないから、そのままの評価はできませんわ。マイネルブルックなんかは脚を伸ばしていたからダービーでいいかもしれないですけど、他の負けすぎの馬はなんとも……。
ブラックタイドは、武豊がとっとと諦めてレースを捨てていたかもしれませんから、この大敗を鵜呑みにはできないけど。だいたい馬場読みのうまい武豊が、いくら馬の特性がそうであっても、あの馬場であの位置はおかしいし・・・・・・」
やはり皐月賞の後方組の評価は難かしそう。では目先を変えて、他の路線。青葉賞は締め切りが間に合わないので無理として、キングカメハメハとシェルゲームが出ていた毎日杯を聞いてみた。
「キングカメハメハは、皐月賞に出ていれば好走してたと思いますわ。でもさっきの2頭(コスモB、ダイワM)と比べると、ダービーはどうですかね? 同じ馬主のブラックタイドよりは、能力が上かもしれませんけど。本当はアドマイヤビッグを推したいんですけど、ここでの復帰はきいつそうですね。2着のシェルゲームですか?体や走法を見る限り、ダービーはきついんやないですか?」
ということで結論は袋とじに。現時点(4月20日)でダービー出走の噂があるダンスインザムードにつていの評価も。
オークスは堅いですか?
桜花賞。で、やはり馬券は?
「能力的には、スイープトウショウとダンスインザムードが抜けているかなあと。スイープトウショウはここまで3歳馬離れしたレースを見せていたし、ダンスインザムードもデビュー戦から段違いのレースでしたからね。でもダンスのほうは強すぎて、目いっぱいのレースをしたことがないですよね? となるとGⅠのマイル戦は忙しすぎて、、取り逃がすとしたらここかなと? 今回は評価を落としてましたわ」
結局馬券は、スイープトウショウからパドックを見て選んだ馬を相手にちょろちょろと遊びで計3000円買っただけと。で、レース。1着ダンスインザムードは?
「う~ん、考えていた以上の馬ですわ。しかもまだいっぱいやない。かなり抜けてますわ」
強さ自体はデビュー戦から評価していた木下だが、桜花賞のレースぶりには想像以上を感じたようだ。一方のスイープトウショウは?
「やはり環境が変わった(厩舎移籍)のが尾を引いてるんですかね? またゲートに入らないところで諦めましたわ。それにしても、なんで定年を迎える厩舎に、こんな馬を入れるんですかね? 騎手も、池添より大胆な角田のほうがあってると思いますわ。それに今回の池添は、せっかくいいスタートがいいのに、なんであそこまで下げるんですかね? それに向正面の内も荒れていたから、コーナーはともかく、あそこでは外に出せばええのに・・・・・・」
いずれにしても池添ではもう目はなさそう。ではオークスのでの巻き返しはあるのか? そもそも距離は持つのか?
「2000がせいいっぱいやないですかね」
2着以下も見ていこう。
「アズマサンダースは、オークスではさらにエエんちゃいますかね。ヤマニンシュクルは、他力本願であまりスローになると厳しいですけど、掲示板を外すことはないんじゃないですか。ヤマニンアラバスタは、距離延びて巻き返せないかなととも思います」
他では?
「残りの桜花賞組はきつそうですね。スイープトウショウは前述の通りだし、ムーヴオブサンデーも東京の2400は厳しそう。でもこのテのタイプは、秋華賞で狙うと面白いんですけどね。京都2000はトリッキーなコースですから、逃げてみるとか。ダイワエルシエーロ? クイーンCは相手が弱すぎ」
別路線、伏兵は?
「忘れな草賞を勝ったドルチェリモーネが印象に残った程度ですけど、2着争いもきついそう。話題のイントゥザグルーヴも、デビューから2戦見た限りでは、まだ足りないと感じてます(フローラS惨敗)」
ということで、オークスの総合見解も袋とじに(セコくてスマン)。では皆様の健闘を祈る。
”袋とじ”
ダンスインザムードがダービーに出ても勝ち負けは厳しいんとちゃう?
レースの細かい内容はP60~61にあるので、ここでは結論のみを。まずダービー。
「コスモバルクは皐月賞で2着でしたが、強いことを再認識しました。ダービーも、この馬を軸にしていいんとちゃいます? あくまで現時点(4月19日、皐月賞終了翌日)での感触ですけど。他はダイワメジャー、皐月賞後方組のマイネルブルック、毎日杯のキングカメハメハ。あと人気が落ちたら、ブラックタイドはおもしろいかも」
さらにダービー出走を噂されている桜花賞馬、ダンスインザムードは?
「好走はするでしょうが、勝ち負けは厳しそう。牝馬同士で強くても、牡馬のそれとは違いますからねえ。3冠も狙えるから、牝馬戦線に専念したほうがエエと思いますけどね」
オークス。
「唯一危ないと思った桜花賞が目いっぱいじゃないレースで勝ってしまうんだから、ダンスインザムードの力は抜けてますわ~。堅いんじゃないですかね。あとはアズマサンダース、展開があえばマニンシュクルと、距離延びてヤマニンラバスタがおもしろそうです」