2005年10月(後半)

一介の馬券生活者・木下健「調教師」になった!なんちゃって!?レースコンサルタント・木下健 誕生か?

馬のタイプを見抜ければ、「持ち時計の遅い馬」でも十分買えまっせ~。(^^)

PART Ⅱ 関係者さんと接触!リポート「競馬関係者」さんと知り合った!

 さて、ここからは話がガラリとかわります。でも前半の話とキッチリ結びついているんで、ガマンして読んでもらえるとありがたいですわ~(^^)。

 私は、インターネットで私のオリジナル指数の入った「にこちゃん出馬表」サイトを始めてけっこうなるんですが、実は今年の春から、ネットだけでなく携帯電話での指数配信のサイトをオープンしましてね(^^)って、いきなり宣伝みたいですけど、まあとにかく長いことやってますんで、どっちのサイトの会員さんともネット上やネット以外で交流を持つ機会がいろいろあったりします。

 普通のサラリーマンさんや公務員 さん、学生さん、変わったところでは現役競輪選手やオーケストラの某有名指揮者さん等々、ふだん滅多に知り合う機会のない職業の方々とも交流を持てたりもして、非常に有難いコッテス(^^)。

 と同時に、競馬をキッカケにして普通なら知り合うはずもない方々と知り合えるので、なんというか、競馬ってのも捨てたもんじゃないな・・・てな感じでしょうか ?

 そしてそんな中、「これだけはあり得んやろ?」と思うような職業の方と知り合ってしまったんですが、ズバリいうと、その職業というのがなんと、「競馬関係者さん 」やったんです!(◎◎;。

 一口に「競馬関係者」っていうてもすごく範囲が広いですが、それ以上詳しくはいえんので勘弁してくださいね(^^;アセアセ。

 普通、「競馬関係者」いうたら「競馬の専門家」ですやん。それがなんで私みたいな一介の競馬好きオヤジが運営するサイトの会員さんにいてはるんでしょか・・・?(‘.’)?ハテ

 以下順を追って書いてみます。

“トラフグ”がきっかけでした・・・・(^^;

 ある日、携帯の方の会員専用掲示板に、こんな感じの書き込みがありました。

 《はじめまして木下さん。トラフグ(馬の名前。もちろん仮名)なんですが、クラス上がって頭打ちの感じです。能力的にはどうでしょうか?どうすればこのクラスで通用しますかね?》

 いきなり「トラフグ」っていわれても・・・(^^;、まったく記憶にない馬やったんで一応軽く分析してから返事することにしました。で、出てきた結論は、「ウムムム・・・こんな馬追いかけてたかて、いつまで経っても馬券取れんで(~~;」やったんですけど、むげに切り捨ててしまうのも何なので、《成績を調べてみましたが、現状は能力的に●●●クラスでは厳しいと思います。(中略)この馬のラップから判断すると、確かに上がりはキレるんですが、位置取りがあまりにも後ろになるため、中盤の追い上げで脚を使い切ってしまってるんですね。(後略)》ってな具合で、軽くレス(返事)しました。

 その後、掲示板には返信がなかったんで、「ちょっとキツイこと書きすぎて気分害してしもたかな(^^; 」って思ってたんですが、ある日、私の元に直接こんなメールが届いたのでした。

 わたくし、トラフグの山田(もちろん仮名)です。実はわたくし●●●●セ●に勤めております。

 「最強の法則」で木下さんのことを知りまして、トラフグについてお尋ねしました。掲示板や独り言のほうでいろいろ読ませてもらっておりますが、木下さんは本当に競馬のことを理解していらっしゃる。マジで尊敬します。

 いつぞやのトラフグへのアドバイス、●●スの時だいたいそのまま●●騎手に伝え、今までと違いテンから気合つけてもらい、いつもよりやや前目で競馬をしてもらいました。

 まあ●●のときは即結果は出ませんでしたが、先日の●●特●のときには明らかにその効果で中団から競馬することができて好走することができました。あのアドバイスがなければこの二走ともただの凡走していたことでしょう。本当に感謝しております。またいいアドバイスお願いします。

 

 仮名やら●●といった伏字ばっかりで理解しにくいでしょうけど、山田さんに迷惑かかるのでこれ以上は絶対に書けないんで堪忍してください(^^;アハハ。 とにかく、何気なく掲示板でやり取りしてた相手が「競馬関係者さん」やったんです!

 これってマジで衝撃でした。見ての通り気がちっさい私は、「まさか関係者の方とは知らずにエラそうなアドバイスしてすんませ~ん(^^;」って、速攻でメール返したんはいうまでもありません(^^;アセアセ。それでも山田さんからは、気持ちのこもったお返事をいただきまして、それからときどき、いろんなことをメールで話をするようになりました。

 それにしてもこうなった以上は、トラフグについてもテキトーな感想だけで話するわけにいきません。今回はたまたま上位に来ましたが、そんなんまるっきり偶然かもしれんのやから、それから私はトラフグのこともかなり分析しましたよ。例えば、どんな所に使うとエエんかとか、どんな相手関係なら上位入線出来る可能性があるんかとか、自分なりにけっこう研究してみると、ぼんやりとですけど、何か見えてくるもんがありましてん。

 そうしてしばらく後、あるレースでトラフグを見つけました。でそのレースの相手関係をじっくり分析したところ、「トラフグが中盤の追走に無駄脚を使わんと好位進出できそうなペースを作るタイプの逃げ馬」が出走してましてん!で、

 「この馬が作るペースなら、クラスでは頭打ちのトラフグでも、末脚に少しはオツリが残るはず(-★)キラッ」と思ったんで、レース前に山田さんに、《今回はけっこう上位に来そうですね(^^;》ってメールしました。でもこのときは、おそらく忙しかったようで、返事はできなかったみたいですが。まあそれはともかく、私は試しにトラフグと同じタイプの馬との馬券を買ったところ、思った通りの流れになって的中!しかもその馬券は、この券種では珍しいものスゴイ配当になりました(^0^)。

 他にも例を挙げると、トラフグとは別のクサフグ(仮名)って馬なんですけが、あるときこの馬が出走する際に、「どういった戦法が好走できるか?」を聞かれました。私なりの分析結果クサフグは、「非常にスピードに長けたタイプ」で、前半の「持ち時計の遅い~云々」のところで書いたエムオーウイナーと同じようなタイプってことが簡単にわかったんで、《逃げましょう。ただし遅いペースよりも速いペースのほうが能力を発揮できるような感じがするんで、ハナを奪ったら溜めずに速いペースで逃げさせてみてください》と伝えました。今思えば、プロ相手にかなり大胆な発言かもしれませんが・・・(^^;アセアセ。クサフグは、トップスタートを切ってたにもかかわらず鞍上が2番手に控えさせてしまったため、スピードを活かせず2着に終わりましたが、その次はキッチリ勝ってくれました(^^)。

 ただ、勝ったときも2番手からの競馬でしたけど、それはクサフグよりももっと速い馬がいたためで、前走2着時の前半3Fラップは35秒前半、勝った今回の前半3Fラップは34秒後半と、「速いラップのほうが能力を発揮できる」のは証明してくれました。

「私が調教師!?」でっか???

 さて今回、なんや前半と後半の原稿が関係ないように感じられたかもしれませんが、実はここで結びつきます。前半の「持ち時計の遅い~云々」でもわかるように、私が今一番力を入れてやってるのは、ひと言でいえば、「複雑な馬のタイプを、ある程度分類して狙う、って理論」です。今回、山田さんからいろいろと相談を受けて、その返事はほとんどすべてこの理論に基づいて返事さしてもらいました。そしてありがたいことに、私みたいなモンのいうことを、どこまでかはわかりませんが参考にして下さって、さらにそれに近いことを実践してくださったお陰で、私も確信が持てるようになりました。

 山田さんとのやりとりを最強の担当者に話したとき、

 「木下さん!それって木下さんの理論を実際のレースで試して結果が出てるってことじゃないですか!そりゃ“調教師”状態ですよ!」と、もの凄い手前ミソに解釈してくれたんで今回の特別企画になったわけですが、まあ私としてもまんざらじゃないのは確かですねん(◎-◎;。
 というより正直、「ひと安心」ってのが率直な感想ですわ(^^;。なんといっても相手はプロですさかい、的を得んような適当なアドバイスじゃ、簡単に見透かされてしまいますもんね(^^;。

 この理論の研究をしてない昔の私やったら、掲示板にあのようなレスは絶対に出来んかったと思いますし、それ以上を求められても今回のようなエラそうなアドバイスは出来んかったと確信してます。 まあ担当さんのように、「自分の理論を実際の馬で試してみた」というと、いい過ぎですけど、

 「まっ、ちょっとそれに近いことをしたみた」と、この際なんでいわせてくださいな(^^;。

とうとう山田さんと会うことに!

 前途の通り、ある時山田さんとのやり取りを、「具体的な名前とかは明かすことはできんのやけど・・・・うんぬんかんぬん・・・」と編集部の担当さんに話したんですわ。そしたら、

 「マジでっ!?ホントならぜひとも実際にお会いして、いろんな話を聞いてみたい!特別にページを用意するんで、交渉してみてもらえませんかね(-★)キラッ」っていわれましてね。業界では有名な話らしいですが、「最強の法則」は競馬関係者にメチャメチャ評判が悪いと聞いてますんで、難しそうやなぁ・・・って思いながらダメ元で尋ねてみたら、ふたつ返事であっさりOK!ビックリしましたがな。

 で、そうと決まれば実現するのはほんま早いモンでした(^^)。お会いするまでは、なんとなく長靴はいて濃い~感じを想像してたんですけど、予想に反して、めっちゃナイスガイ(死語?)な方で、またまたビックリ(◎-◎)。

 会員さん たちとのオフ会(=飲み会みたいなもの。ネットではこういう)でも感じますが、初対面の方でも、競馬という共通の話題があるので打ち解けるのがホンマに早いモンで、予約して頂いたお店に入って30分もたった頃には、話は弾んでるわ、酒は進むわで、ホンマに楽しい時間を過ごさせてもらいました。(^^)。あの店に、他にも競馬関係者がおったら怒鳴りこんで来られたんちゃうかな?ってくらいキワドイ話もいっぱい聞けましたが、結局キワドイ話だらけで、ここで書けるようなことはほとんどないんですけどね・・・(^^;。

 担当さんの思惑としては、お会いしていろんな競馬界の裏側を聞き出して記事にしたいってのが本音やったみたいですが、取材の帰りに「さて、どうしましょ?」って話になったとき、「結局何も書けそうにないよな・・・」っていうのがふたりが出した共通の見解でした(^^;。

 ただひとつだけ確実にいえるのは、お会いしたこの山田さんは、「古いタイプの競馬関係者とは間違いなく違う」ってことです。これからの競馬界には、一昔前の古い間違った常識に囚われない、新しい感性を持った山田さんみたいな方が必要だと思いました。そして山田さんみたいな方は、率直に、応援したいと思いました。

 もどって、宴の翌日は、朝3時に起きてトレセンに行ってきました。せっかくやし案内するんで、よかったら見学していって下さいていわれたんで、生まれて初めてのトレセン体験&生まれて初めて馬にも触ってきましたよ(^^)。

 初めてのトレセンの感想ですが、見ず知らずの私らなんかにも、出くわす人、出くわす人が「おはようございます(^^)」って元気よく声をかけて下さるのが、非常に印象的でした。それまで 「村社会の封建的な風習が残る場所」って先入観があったんですけど、イメージと違って凄く開放的な印象を受けました(^^)。 私らは、厩務員さんたちが待機する部屋で調教をみてたんですけど、自分が担当する馬の調教に興味のある人は少ないらしく、パチンコやら政治の話ばっかりしてはりましたんが印象に残りましたわ(^0^)。

目からウロコの話がいっぱい!

 今回、山田さんのような現場の人といろいろ話してみて、これまで自分の中での、“仮説”でしかなかったことが、決して間違いやなかったと確信持てたのが大きかったですわ。もっとも馬券においては、仮説が正しかろうが間違っていようが、儲けりゃなんでもエエですけどね。でもやっぱり、真実に近いほうが気分がエエのは確かです。山田さんの言葉で、とくに印象深かったのは、

 「我々現場の人間は、馬のことにかけては間違いなくプロです。個々の馬のことに関しては熟知しているが、相手のことはほとんどわかりません。その点、木下さんたちのような人は、“相手関係を探るプロ”です。だから木下さんの会員になって、いろいろ吸収したいことがありました。」

 ホントに嬉しいひと言であると同時に、

 「やっぱり関係者って、一部のトップクラスを除いては、相手関係がわかってない人は多かったんやなぁ」って認識できました。それともうひとつ、「騎手って、自分の騎乗スタイルにハメたがる」という話も面白かったですわ。

 騎手というのは、「乗っているうちにどこか秘めたる長所を見つけると、いつまでもそれが焼きついてしまって、その長所を活かそうという騎乗ばかり押し付ける傾向にある」のだそうです。私は常日頃から、「馬の脚質7割は、騎手が型にはめたもんやないか?」と思ってたんで、そのあたりをいろいろ聞いてみたときの答えがこうでした。そもそもトラフグにしたって、実はデビューからずっと騎乗してきた騎手が、末脚に光るもんがあるってことで、控えて直線だけの競馬ばっかりさせてたそうです。本当はもうちょっと器用な競馬も経験させたかったらしいんですが、

「騎手がガンとしていうことを聞かないので、今のような不器用な馬にでき上がってしまった・・・・」

 と嘆いてはりました・・・・・。デビューから乗ってきた騎手の好きな戦法をそのまま引きずってる馬って、実は一杯いてますもんね(^^)。

「持ち時計最低」のハコフグの好走した!

 トレセンを後にしてから、担当さんと打ち合わせがてら飯を食っていたら、山田さんから、メールが入りました。

 「今週、ハコフグ(やはり仮名)を使おうと思うんですが、ふたつレースがあってどちらに登録しようか模索中です。(中略)可能であればアドバイスいただければ・・・・(後略)」

 登録までの時間はあとわずか、ということでさっそくその場でPC広げて検討した結果、ふたつの選択肢が見えてきましてん。その前に、ハコフグって馬は前走で勝ち上がったんですが、同馬は、ハナに立ってスローペースに落とし、速い上がりでまとめる典型的な「スローの瞬発力型タイプ」。苦しいのは、同馬が好走したペースは、勝ち上がったひとつ上のクラスでは“超どスロー”ということになり、ここでは通用しないラップという点でした。

 これを踏まえた上でひとつ目の選択肢は、同馬が経験したことのない「500万での平均~やや速いペースを刻むことのできる強い逃げ馬」がいる方にブツケて今後のためのレースをさせる。こっちの場合、その逃げ馬以外はショボイんですが、ハコフグは経験したことのないペースのため直線入り口ではフラフラになって力以上に負けて二ケタ着順になる可能性もありました。せやけどこれを経験した「経験値」は大きいはずで、今後の糧になる可能性は高いんですわ。まあ自分の「レベルの高いレース」の考え方に近い部分もあります。

  もうひとつは、「スローペースしか作れない逃げ馬&スローしか経験してない先行馬に加えて、ハイペースでしか差してこれん差し馬が多いレースのほうを使って、少しでも上の着順を拾う」という選択肢。メンバー的にはこっちのほうが若干濃い感じはあったんですが、こっちの場合、ポンとスタートを切れたらハナに立って自分の競馬ができる可能性が高かったんですわ。ハナに立った後は自分のペースに落としてしまえばええし、人気薄の場合、直線まで競りかけられずにゆっくり行ける可能性があるんで、そうなったらしめたモンで、この馬の瞬発力やったら掲示板に乗るのも十分可能と思えました。しかし、ここで上位にきても、「経験値」の上積みにはならないので、今後のことを考えるとあまりお勧めではありません。

 どっちにするか尋ねたところ、実は脚元に少し不安が残る状態であることに加え、オーナーさんのことを考えると少しでも上の着を拾っておきたい。上手く着が拾えたら、そのまま放牧に出したいということで、山田さんは後者のレースを選択されました。

 そしてレース当日。ハコフグは、好スタートからハナを切るとスローに落とし直線に向きました。このペースでこのメンバーやったら間違いなく上位に粘れると思いました。結果は見事複勝圏!メンバー中、「最低の持ち時計しかない馬」が複勝圏にきたんです。私はホンマ上等やと思いました(^^)。これも、「持ち時計の遅い馬」が「持ち時計の速い馬」に対抗する方法で、一連の研究の成果ですわ(^^)。・・・ただ私も正直、複勝圏まで好走するとは思ってなかったんで、馬券は買わずで儲け損ねましたが・・・(^^)。でも逆にいうと、それくらい「ふつうなら時計的にはとても買えない、厳しい馬」やったということです。

 ここまで長々と書きましたが、いかがでしょうか?強引にまとめると、「持ち時計」への疑問をキッカケに「馬をタイプ別に分類して狙う」という馬券戦術を研究して運よく100万超の払い戻し。それと平行して、縁あってそれを実際に検証する機会が与えられた、という話を書きたかったわけですが、上手く伝わっているでしょうか?とにかくこの戦術自体がまだ研究途上で整理しきれてるとはいいがたいので、随所に言葉が曖昧なところがありますが、そこは文章を書くのは素人ということで、勘弁してくださいな・・・・<(_ _)>。

 とにかく、単に走破タイムの速さで決まるほど、競馬は単純やないということです。そういう前提に立って、馬のさまざまなタイプ別に判断してレースを見るようになると、好走できるメンバー、できないメンバー構成は、かなりの精度でわかるようになります。これは、山田さんのおかげでもあって、今ではすごく自信が持てるようになりました(^^)。簡単ではないかもしれませんが、少しでも皆さんの参考になれば、有難いコッテス(^^)。山田さんにはホンマ私なんかのいうことを信頼して聞いて下さって、ありがとうございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 馬券で儲けるのも大事ですが、それだけじゃなくて、こんな感じで“オモロイ競馬の輪”が広がっていくのも、エエもんですね~(^^)。