最強の法則1999年8月号

菖蒲Sで単勝2200円の馬を◎に出来た理由

 7月号の記事を改めて読み返してみたんですけど、最初から最後までコテコテの大阪弁で書くと平仮名ばっかりで、俺自身はホンマに読みにくい気がしました。そないに思うて今月分はちょっと大阪弁をセーブして、おまけにちょっと賢く見せたろ思いまして、鬼の武井さんっぽい口調で書いたらいきなりボツですわ・・・・・・。

 編集担当のO氏いわく、全く俺らしさが出てないんですって・・・やっぱりエエ格好しても似合いませんねんな(^^;

 こうなったら、開き直ってアホ丸出しに平仮名ばっかし使こて、コテコテの大阪弁で好きな事書いたろうと思います。それで放送コード(??)ギリギリになっても知らんからなぁ~。もしも、どっかからクレームきたらその時はよろしく!担当O氏(^0^)

 まず、初めに先月号でリストに挙げた「レベルの高いレース」の出身馬の簡単な結果だけ報告しときます。一応表②の方に挙げましたけど4~5千円くらいの配当やったらなんぼでも有りましたさかい人気薄が穴あけたレースだけ掲載しています。

 それでも「レベルの高いレース」出身馬同士の組み合わせとなると該当数は極端に減ってきますわ。やっぱり該当馬が人気薄の場合、相手には人気馬を絡めて買っていく方がエエちゅうことですわな。「レベルの高いレース」出身馬同士の組み合わせと言えば先月号のリストで香港JCTを挙げましたけど、このレースの出身馬が本誌発売週の東京9R菖蒲Sで上位を独占してくれました。

表②「レベルの高いレース」出身馬が演出した高配当

 これまで読者の方には原稿の締め切りと発売日のズレの関係上、リストを十分に役に立てて貰えん事が多かったんですけど、先月号からはリストの締め切りだけギリギリまで延長して旬の素材を旬のうちに美味しく召し上がっていただけるようにと、担当O氏が神田川先生なみの粋な計らいをしてくれました(^0^)でも、その恩恵を真っ先に受けているのも担当O氏なんですけどね(^^;

 ここまで書いたついでにもう少しこの菖蒲Sについて触れておきましょか。なんせ、菖蒲Sの前後の流れを掴んでおくと4歳ダートNO1決定戦のユニコーンSが大体見えてくるようになりますからね。

 まず、菖蒲Sに直結したレースが香港JCT。このレースは昨年で言う白百合Sに当たるレースですわ(今年は4歳900万の芝のレースに変更)。その香港JCTにはどのレースが直結してきたかと言うと、5月2日に京都で行われた端午Sがほぼ有力ですわ。端午S→香港JCT→菖蒲Sと言うのは昨年の流れと全くおんなじで4歳クラシックのダート版みたいなもんや思います。

 そして、今回の菖蒲Sを考える上で大事なポイントが有ったのが端午Sなんですけどこのレースは先月号のリストの中には「レベルの高いレース」として挙げてないですよね。それにはちょっとした理由が有ってこのレース自体は別にレベルが高いと言う事は無いんですわ。じゃぁ、何がポイントやったかと言うとこのレースの一部の馬だけが非常に厳しいレースを体験していたんで、その馬だけを激走注意馬として捕らえておけば良かったんですわ。その証拠に端午Sで3,5着だったドラゴンマンボ、タイロバリーは後方からレースを進めてきた馬で、香港JTCでは2,3番人気に担ぎ上げられながら大敗しています。まぁ大敗して当たり前やったのに人気になるほうがおかしいですわ。そして、端午S、そしてレベルの高い香港JCTと先行して厳しい流れを経験してきた唯一の馬、バクシンヒーローが菖蒲Sで勝つのも当たり前の事なんですよ。

 今まで何度も書いてある事ですけど、結局の所、大事なのはレース毎に存在するであろう格なんです。その中でもどれだけ厳しい経験をしてきたかと言う事が特に重要で、タイムや着順は二の次と言う事なんですわ。また、クラシックも一段落した事でこれから先、本来ダートに適正の高かった4歳馬が古馬混合のダート戦で揉まれてメキメキ能力を発揮し出すシーズンですんで、路線変更後にユニコーンSへ向かう組との力関係さえ掴んでおけばまた秋には大勝ちできるはずなんですけどね(^^;

本誌担当の手記「レベルの高いレース」最高っす!

 読書の皆さん どうも。最近すっかり出たがりの編集部Oです。馬券術を旨とする小誌では常日頃から、編集担当者自身が儲かる馬券術をそのまま皆様に送り届けるのを理想としております。今回それが大きな形で実現したので、報告いたします。実はただ自慢したいだけなのですが。

 レースは、本文中にもある「菖蒲S」(6/13東京9R・ダ1600)。まず右項の①で指定している「ホンコンJCT」の出身馬が5頭いました。どれもそれほど人気ではないので5頭BOXでも十分プラスですが、デカく儲けたいので、熟慮の末④⑦⑬3頭に絞りました。結果は3頭が上位独占という快心の一撃!馬連は2点目で的中、さらに単複も。都合、馬連58.6倍×5000円=29万3400円、複勝5倍×5000円=2万円、単勝22.8倍×2000円=4万5600円、計35万9000円!ウワハハハハハ!!

 冷静に行きましょう。なぜこんな馬券が買えるかは木下さんが本文で詳しく説明しているので省きますが、改めて強調したいのは「レベルの高いレース」の利用法です。私の場合はまず何よりも「楽しく儲けたい」という大前提があるので、大きく勝負するのはダート戦に限っています。芝のレースや未勝利戦なんかまでいちいちチェックしている暇もエネルギーもありませんから。だから少なくともこのジャンルだけは、定点観測を怠らないようにしています。もちろん木下さんほどレースを分析する力もないので、あくまで分相応のレベルですけど。そんな私でも日々の観測の成果か、このレースで人気の外枠2頭が「危なそう」ぐらいの見当はつきました。

以前の私ならとりあえずこれらの人気馬は軸にせずヒモにして、レースの「レベルの高さ」はわかりませんが恐らくは「格は上のはず」の「ホンコンJCT」組の1頭軸にして5、6点の流し馬券。せいぜい買っても全額5千円くらい。ハズレたかもしれないし、当たっても3、4万の払い戻し。 ここで「レベルの高いレース」です。この私自身が記事を作っているのですから、忘れてはいませんでした。私ごときでも格の違いがわかる「ホンコンJCT」を、木下さんは先月号で「レベルの高いレース」に指定しています。こうなったら人気馬をこれらの出身馬の力差は1ランクどころか2ランクは違うはず。もはや展開とか馬体重なんてカンケーない。お陰で自信を持って人気馬をブッた斬り、日頃の定点観測から私なりの読みで出身馬5頭のうちの2頭を外し、3点3角買いに2万円の大金(私にとっては)を投入することができたのです。 わずか3点で58倍!あ~気持ちいい!毎週馬券を買っているファンの皆さんなら、これがどれほど難しいかおわかりでしょう。これが「レベルの高いレース」の威力なのです。馬券には私自身の考え方も入っていますが、背中を押してくれたのはやはり「レベルの高いレース」。でなければこれだけの資金を投入することも、36万もの払い戻しもなかったでしょう。

「『レベル高いレース』は解りにくい」「どうやったら木下さんと同じようにレースを見れるの?」 こういう声もよく聞きます。白状すると、担当の私自身も2割くらい?しかわからん。でも考えて見てください。木下さんは何年もの間馬券だけで生活し、その間平日はずっとレースを見続け、分析し続けてきたのです。そんな修練の末に獲得した職人の”目利き”のような技を、簡単にモノにできるものでしょうか。やはり、ここは素直に利用しちゃえ!ということになります。

 その利用法の一つが、この例です。自慢も書いてますが。丸ごと乗っかるのもいいですが、狙いを定めたり独自の方法と組み合わせてこそより威力を発揮するのではないでしょうか。そもそも木下さん自身も「レベルの高いレース」だけに頼ることなく、展開や枠順、馬場状態や騎手など、競馬には当然必要な要素を考え合わせて馬券を買っているのですから。

 ちなみに基本的にツメの甘いタイプの私は、実は1、3着を本線にしていました。こっちがきたら60万近くになったのに・・・。片や木下さんは、単勝勝負で2万円(つまり40万になった)、馬連も5000円持っていたそうです。奥床しい木下さんは、本文にこれをかいてくれなかったので、この場で暴露しときます。(^o^)

東京のダートはちょっと変ちゃいます?

 すでに終わった話で恐縮ですけど、覚えておいて貰ろたら今後、なんかの役に立つ可能性も有るんで書いておきますけわ。2回3回と東京のダートは異常だったと思いませんか?同じ良馬場でもある日は逃げないと勝てない、でも次の日は逃げるとバテル・・。どう考えても同じ馬場状態だとは思えません。しかも、良馬場の日に重馬場の日のような時計が出たり、日毎に馬場の色が違って見えたりと、全く一定した状態でなかったですわ。聞く所によるとレースが終わるたびに散水されていたそうですけど。確かに異常なくらいの砂埃でしたわ。でも、その割には足跡だけは湿って黒っぽかったりとね・・・。

 ここからはあくまで想像の世界で独り言として聞いて貰いたいんやけど、原因は2回東京初日の大雨やぁないんかなぁ?あの大雨で軽い砂が流れてしまって硬くなったので、次に砂を入れたら今度はうまく馴染まず妙にフカフカで毎回散水しないとまともにレースが出来ない状態やったんじゃないですかねぇ?大体そんな毎回違うような馬場状態で予想しても当たるかい・・・。おまけに緑風Sのシンコウシングラーの降着事件と言い、売り上げ落ちてきたら今度はボッタクリかい?(^^;

 まぁ、開催中の砂の入れ替えなんて考えにくいんで原因は他に有るんやろうけどね。それでも、遠からずとも近からずって感じですかな?と、こんな感じで独り言ですけど要するに、通常もダートの馬場状態は走る前の色、足跡の色、埃の量とか参考にしながらどんな脚質の馬が主に連対しているかでその日の傾向が掴めるさかいに良く覚えて置いたほうがええです。特にダート戦が多くなるシーズンには有効ですからね。あ、そこのお方、聞き流せん!ってクレーム有るんやったら、好きな事書かした担当Oさんにゆうたってください。俺に言われても知りまへんでぇ~(^-^)

降級馬と「レベルの高いレース」の見極め方

 先月号に降級した馬で「レベルの高いレース」出走馬を狙っていくと言う事を書きましたが、今月号が発売されるころはサマー競馬真っ盛りですから、ちょっと補足して行きながらもう少し発展した内容にも触れておく事にします。クラス編成後は降級してきた馬と4歳馬、そこに現級の馬が混ざり合って走るわけですから、今までの古馬戦よりもクラス内のレベルは格段に濃いものであるのは間違いないので、レベルの高いレースが出現する可能性は高くなります。

 でも、メンバーが濃いからと言ってレベルが高いと勘違いしがちなんですけど、勘違いせずに見つけ出すポイントは降級してきた馬が上級クラス並みのレースを作った場合なんです。ほんだらどれが上級クラス並みのレースだったかを時計で判断するとちょっと違うって事になるんで、これまた難しく感じますわなぁ(^-^;

 例えば900万から降級してきた馬は500万では500万なりの競馬を作る方が普通なんですけど、まれに900万の厳しさを持ったレースを作る事があります。大概の場合、降級馬に上級クラスの厳しさを発揮させるのは日毎に成長する4歳馬の事が多いので、4歳馬の格をよくチェックして行く事でレベルの高いレースが見つかる可能性が高まりますよ。また、そんなレースで揉まれた現級馬は、サマー競馬中は滞在競馬で同じようなメンツと当たるので、その間はかなり楽しませてくれるので期待できます。

ローカルは馬場状態に注意!

 最後に、先に書いた東京の馬場状態の話のように事前に頭に入れておく事で少しは役に立つんやないかなってゆう、サマー競馬では頻繁に使われる芝コースの話題を一つ書いておきますわ。

 ちょうどこれから新潟、小倉と連続開催の初日を迎えるわけですけど、ローカル競馬場と言うのは中央の競馬場に比べて、遥かに馬場の悪化の進み具合が速いんですわ。馬場の良い間は確実に逃げ、先行馬に有利に働きますけどそのうち、差し、追い込み馬にも向く馬場になってきますよね。ここまでは中央の競馬場とおんなじですけど、注意しといて欲しいのは、連続開催の2開催目に差し掛かる辺りからです。ここら辺りから急激に馬場の悪化は進むんですけど、原因は2連続開催と言う事よりもコース変更が頻繁に行われへんちゅうことですわ。特に新潟の場合なんかやと、最初から最後まで一貫してAコースが使用されますから開催が終わるころには去年の秋の福島みたいに内から4~5Mほどは芝がズルムケでボロボロ。開催の途中に雨の日なんかが有ったらそらもう悪化するスピードは極端に速くなります。

 ここまで来たら一般的な話、短距離レースの場合やと先行する馬とか内枠の馬が必要以上に馬力が要るんでロスが大きいし、長距離のレースの場合も極端な話2000Mが2100Mになったりして馬場の悪い所を通らされる先行馬よりも、比較的馬場の良い所を選んで走れる後方の馬の方が距離のロスを差し引いても有利なわけですわ。

 そやからてこの時期は単純に差し、追い込み馬を狙うんか?ゆうたら違うて、大体競馬のローテーションの一般的な目安は1ヶ月に2走ですわなぁ。そして一般的な人気のバロメーターも前走でええタイムで走ったか、ええ成績を残したかちゅうのが大きく起因してきますわな。それやったらそれを利用するんですわ。これだけ前振りしたら、もう分かってると思いますけど、1開催目の馬場のエエ時に逃げたり、先行したりで人気になってくる馬を思い切ってぶった切るんですわ。逆に1開催目で後方から届ききらんかった後方の馬を狙い撃ちするんですわ。ほんで、この方法で高配当をばんばん手にする事が出来るはず(??)です。ちょうど函館が2開催目に入ってますさかいに試してみたらエエと思います。ただ、函館は今週からBコースに替わりますんで、その辺をちょっとだけ注意しておいて貰わんと・・・。

 あ、そうそう!!この方法で当たれへんかっても既にご承知のようにクレームは担当O氏まで(^^)ではまた、来月号で!


初めて読む方に

●木下健のプロフィール
 3年前、それまで経営していた電気工事関係の会社をたたみ馬券生活者となる。理由は、勤めたままでは、競馬の研究をする時間がないから。以後、研究と実践に没頭し、2年半で彼が叩き出した馬券収入は約2000万円、年収に直すと約800万円。今年は5月時点ですでに250万を計上。大阪の郊外のマンションに住み、文字通り馬券で妻一人、娘一人を養っている。妻はよき理解者でもある。

●木下の方法とは
 誤解を恐れず要約すれば、スピード指数を驚異的なレースの観察力で補う方法。いわば、デジタル(指数)とアナログ(レース観察)の融合。この方法で、従来の指数ではフォローできなかった部分の数値化に成功し、これまでにない厳密な能力の評価を実現した。(詳細は1~6月号バックナンバー参照)

●「レベルの高いレース」とは
 日々馬券生活の中で、レースの中でもとりわけ馬の消耗度が激しい、厳しいレースがあり、そのレースを経た馬が後日連対馬を量産することを発見。木下はこの理由を”ストレス”や”流れ”という言葉で考えているが、本当のところは自身にも定かでない。ともあれ、この考え方を取り入れることによって大きな成果を挙げている。またこれは指数では表せないものだが、木下自身実際の馬券購入の際は苦心して出した指数よりもこちらを優先することさえある。

●「レベルの高いレース」の使い方
 「レベルの高いレース」で”負けた馬”を狙うのが基本。特に着順の悪かった馬はあまり人気にならないので配当的に妙味がある。連載中もこのレースの出身馬が多数万馬券を出しているのは周知の事実。すぐに穴をあけるところもあれば、2~3走してから走り出す場合もあるので、臨機応変に対応したい。とりあえず馬柱に表①の「レベルの高いレース」があれば、赤ペンでチェックするところから始めてみては。