最強の法則1999年9月号
私は知っている!木下の馬券生活と「レベルの高いレース」発見まで
エーまたまた出たがりの担当Oです。最近誌面を私物化しているとのウワサもありますが、色々説明方法を工夫するよりは、読者の皆様よりは木下に近い私が出て話をした方がてっとり取り早いし、根が目立ちたがりなので悪しからず。
初めて読む方、まだ半信半疑の方、よく理解できない方も、これを読めばある程度は全体像を掴んでいただけるかと思います。
それにしてもこの木下の方法、完全に理解できてる人はいるのでしょうか?実は担当の私も、かれこれ1年以上かかわってますが、いまだに半分ぐらい?しか理解できてません。「そんなんでよう連載しとるな」っていわれればそれまでですが、まあ木下の言うことは面白いし、キャラもイケてるし、そして何よりも、自分の馬券に結びつくし、先月号のように大儲けさせてもらうこともしばしば。こうなるとやっぱり止められないっす。
で「レベルの高いレース」ですが、実はこれぶっちゃけた話、木下の方法のあくまで一部でしかないんですよ。じゃあ木下自信の方法はというと、別の解説のところでも書いてるように、スピード指数をレースの細かい観察で補正した能力表というか出馬表を使ってます。実際、レースの前日枠順が決まったら、市販のスピード指数計算ソフトにJRA-VANからデータをダウンロードして、全レースの出馬表をプリントアウト。指数はもちろん補正済のものが入ってます。それを元に勝負するレースしないレースのあたりを付けて、あとは同日の馬場状態や展開などを考え合わせて馬券を買ってます。この様子は私が木下の自宅まで押しかけて見ているので、疑いようもありません。
じゃあ木下の方法のどこに「レベルの高いレース」が出てくるのか。それはデスね、オっほん、なんていばるほどでもないんですが、今しがた、木下はスピード指数をレースの”細かい観察で補正する”といいましたよね。毎週そういう作業をしていると、いくら補正してもしきれない、というか、指数というのはベースは走破タイムなんだけど、そういう物では全然掴みきれないレースが時々あって、そういうレースが後日連対馬や激走馬を量産するってことに気づいたそうです。
指数での補正が効かないので、木下はしょうがないから、指数とは別にそういう馬やレースにちょっと印をつけといた。「激走マーク」とか「要注意」みたいな。そしたら、このマークつきの馬が走るは走るは、穴あけまくり。自分が補正した指数とは関係無く。実はこの印を付けたレースが、現在の「レベルの高いレース」のことです。
木下はあくまで「馬券生活者」予想サービスはしてません
ところで読者の皆さん、ここまで読んだら「レベルの高いレース」どうのこうのよりも、「木下のその出馬表そのものを、もしくは馬それぞれの補正済の能力値をそのまま載っければいいのでは」という方もいるでしょう。でもねぇ、枠順決まらないとこの出馬表は作れないから、月刊誌ではまず無理。補正済み能力値にしても、それはあくまで目安でしかなくて、大きい数字を上から買ってるだけで儲かるほど競馬は甘くないし、何よりも木下自身が数値が高いものから買うなんてことやってないしねぇ。
さらにいうと木下の目的は、何をおいても、競馬で生活費を稼ぐこと。予想を売るとか、有名になるとかは二の次。まあ本人は「ミーハーですから、こういうのに出るのは嫌いじゃないですけど」っていう人だから、私の無理な注文も受けとめてくれるけど。
そんなこんなで結局、木下が自分の馬券生活に支障をきたすことなく、しかも私を含めた読者の皆さんもその恩恵を最大限に受けることができる方法ということで落ち着いたのが、「レベルの高いレース」なんです。なんかこれだと、双方の都合が先立ってるような感じを受けるかもしれませんが、あながちそうでもないんですよ。というのも、わかる人にはもうわかってるかもしれないけど、木下の方法の一番核心の部分に触れている考え方だと思うからです。
「レベルの高いレース」はなぜ簡単に見つからないのか
「レベルの高いレース」とは何か?この連載をやりながら、ことあるごとに木下に聞いてましたが、やはり本人もうまく説明できない。それはなぜかというと、私が思うに、木下にとってのごく個人的な「経験的事実」だからです。本人がうまく言葉にできないものを、他人がわかりようもないですよね。
先にも説明しましたが、木下は、レースビデオを毎週何度も何度も見ているうちに、こういうレースの存在に気づいたといってます。うーん、なかなか上手く説明できないけど、何というか、仮説とか理論が先にあるのではなくて、観察の結果どうしても「そうとしか考えられない」ものがある、という感じでしょうか。ちょっとカッコつけたいいかたするなら、演繹的というよりは、帰納的な思考法というか。昆虫学者のファーブルとか動物記のシートンみたいな。ちょっと大袈裟かもしれないけど。
観察の結果どうしても「そうとしか考えられない」のが「レベルの高いレース」なんてずいぶん曖味だなと思われるかもしれないけど、当の木下がこれを利用して仮にも馬券で大きな成果を挙げて生活しているのだから、これ以上雄弁な成果はないでしょう。それもこれも、他人には真似のできないほど、長年レースを見続けてきた末に会得した驚異的な観察力の賜物だと思います。
そういえば先日木下は、1つのレースの映像を最低でも5,6回は見直すっていってました。例えばこれに最低10分かかるとしたら、10×36=360分、つまり6時間。たった6時間と考える人もいるかもしれないけど、競馬のために毎週これほどの時間を割く人がそうそういるでしょうか。実際はもっとかかっているようだし。
新説?”高校生とヤクザのケンカ”説
「レベルの高いレース」に戻ると、木下は「なかなか上手く説明できないけど」と前置きして、言葉を探しながら何とか私にも理解できるようにと色々試みてくれます。その中で必ずというほどでてくるのが、「ストレス」「流れのキツさ」という言葉。要するに「どれほど激しい、厳しいレースだったか」というのが問題なのです。こうなると、走破時計もペースも関係ないとも言ってます。スピード指数を出発点としながらも「競馬はタイムじゃない」と繰り返し力説する木下の言葉の重みが窺い知れますよね。
参考までに、私がこれをどのように受け止めてるかも書いておきましょう。非常に個人的な例えなので、その点を踏まえて読んでくださいね。
レベルの高くない普通のレースを、高校生のケンカと考えます。普段は高校生同士で勝ったり負けたりしてる高校生が、ある時新宿は歌舞伎町で、ヤクザとケンカしました。もちろん最後はボコボコにやられたけど、ガッツを見せてかすり傷の一つぐらいは負わせました。まあ一矢は報いたぐらい。これが次にまた高校生同士でケンカしたら、ヤクザに比べたらへでもないと、楽勝。でもある時はやられすぎて故障・休養とか、またある時は、傷が癒えた頃に激走とか、こんな感じ。
もちろん「ヤクザとのケンカ」が「レベルの高いレース」のつもり。無理のある例えとはわかっていますが、こう考えると馬券にも結びつきやすいし、実際こう解釈するようになってからは、とりあえず競馬はプラス収支です。お陰様で。
そんなこんなで、少しは皆さん、ニュアンスをつかんでいただけたでしょうか。何だか説明になってるようななってないようなヘタクソな文章ですが。こういうこと考えるの面倒だという人は、ともかく「レベルの高いレース」出身馬は新聞の評価なんかより力が上だ、と考えるだけでも十分だと思います。
木下の本音は「面倒なったら止めますわ(笑)」
ついでといっては何ですが、先日木下が上京したとき、少し意地悪な質問をしてみました。その話を。
「木下さん、自分だけが馬券で生活費稼げたらいいはずなのに、なんでウチの本出てくれたり(もちろんありがたいけど)、ホームページ(での出馬表サービス。)やったりするの?」
「そやねぇ、僕基本的にミーハーやからこういうのとかテレビ(先日スカイパーフェクTV「競馬予想TV」に出演)とか出るのん、嫌いやないんですわ。それにホームページとかでも、自分の予想当たって喜んでもらえたり、自慢するの楽しいうちがエエんやから、(馬券)生活に支障が出たり面倒くさなったら止めますわ。ハハハハ」
ということなんですよ、皆さん。だから木下の気が変わらないうちにこの連載熟読して、早めに「レベルの高いレース」で幸せになりましょう。
ああ、それと今回「勝負馬・一挙公開!」ってことですけど、これ要するに木下のデーターベース(『TARGET』を使ってます。ちなみにDOS版)に「レベルの高いレース」出身馬としてマークが入ってる馬のことです。
「レベルの高いレース」と合わせて、新聞でここに出てるレース名や馬名見かけたらとりあえず赤ペンでチェックして、後は木下が述べてる馬場状態とか展開とか力関係とか考えて、馬券買って下さい。もしかしたら最初は面倒に感じる人もいるかもしれないけど、そのうち美味しい思いできるって!運がよければ、いきなりかもね(O)
勝負馬!一挙公開!
【近頃の木下】
本誌連載もさることながら、インターネットHPも大盛況で、大阪と東京で開催されたオフ会ではそれぞれ40人以上も集まって下さいました。(東京では私も出席。皆さん、どうもありがとうございました)それに、スカイパーフェクTVの「競馬予想TV」にも出演。レギュラー某氏にツッコまれ、初出演なのに「オレの馬券やから関係ないやろ、ボケッ!」みたいなことをいって、まわりの人を震えあがらしていたそうです。馬券の方は、「夏は苦手」とかいっておきながらエライ調子よさそうで、ここ1ヶ月で3ヶ月分の生活費を稼ぐほどの絶好調。こちらの方は「じゃ今月はそれをおもいっきり自慢してくださと」原稿頼んでるので、本文を。私生活ではもうすぐ第2子が生まれてるとのことで(おめでとう!)、気合を新たにしてました。それと「”健は”ケン”じゃなくて”タケシ”ですから」って本人が何度もいっていたので、一応書いときます。
「エプソムC」「函館記念」は展開読んで簡単GET
今回は最近の自分の馬券の状況みたいな物もちょこっと書いて欲しいと言う事なので、ツカミでその事について書いておこうと思います。
まず、春のG1戦線も一段落しましたが、見送ったレースが多かったですね。特に4歳戦はそれまでの過程のほうが面白くって、本番はどうでもエエわって感覚になってしまってました。でも、そのお陰で邪念が入らず素直な気持ちでレースを観戦することが出来たので、逆にレースが良く見えたって気がしてます。
G1以外の話になると、6月は特に好調で2週で2か月分を稼がせて貰いましたよ。ちなみにエプソムカップでは生涯最高配当になる馬券も取りましたし(370倍)、目新しいところでは函館記念の万馬券も取りましたわ(^^)
例えば今名前を挙げたレースなんかは、展開と力関係を考えるだけで割合簡単に取れた数少ないレースですから、余計に印象深いですわ。ただ、エプソムカップは予想した展開と実際の展開はちょっと違いましたけど、まぁ結果的には予想自体の方向性としては正解だったので取れたんだと自信を持っていますけどね。
ここまで書いて次の話題に移ったら「おいおい、どない考えたら取れるんか説明せんかい!!」って声が飛んできそうですね(^^;でも、そんな声は気にせず次の話題に入ります(^0^)
私が馬券を買う場合、穴党でも本命党でも無く、基本的に予想の段階ではオッズを見たりしないんですわ。一通り予想が終わって買い目を出したときに、そのオッズがどのくらいつくのか確認するんですわ。オッズは頑張って予想したご褒美に神様がくれた贈り物みたいな感覚で捕らえるようにしてますねん。基本的にガメツイ私は、初めからオッズを見てしまうと色気を持ちすぎて、その買い目になるように都合のいい方へいい方へ無理やりにでもコジツケて予想をしてしまいますからね。ちょっとそこのあんた。あんたもいつもこんなんちゃうの・・・?あぁん?うるさいなぁ・・・「そんな話はエエからさっきの展開の考え方教えろっ!!」て?しゃぁないなぁ、ほんだらちょっとだけやでぇ・・・ホンマ欲張りなんだからぁ・・・(^^)
今から書くことはこれが正解だというつもりもサクラ無いんで、あくまでアプローチの一つとして捕らえてもらえればエエと思います。
まずエプソムカップの場合は、展開を考える前に馬場状態とか力関係とかをよく把握しておく必要があるので、一般読者向けの簡単な例としては函館記念の方が向いてるさかいに、そっちで説明しますわ。
函館記念はご存知の通りハンデ戦でしたが、ハンデ戦の基本的概念はゴール前で全馬が横一線に並ぶようにハンデキャッパーが設定するんですよね。まったく今回はお見事と誉めてエエのか、私が設定している能力を補正した出馬表で見ると、ほんまに横一線なメンバーやったんです。基本的にこんなときは見送るか買う場合も展開から責めるかって感じなんですけど、見送り気分でたまたま新聞を眺めていると、あることに気が付いたんですよ。
私が展開を考えるときは、どの馬がハナを切るか、2番手で行くかと言う事じゃなく、1~2コーナーにかけてどれだけロスや不利を受ける馬が多いかと言う事を考えるんですけど、このレースの場合展開を読む上で超難解なほど先行したい馬が揃ってたんで、意外と簡単に展開が見えたと言うことなんです。
まず、小回り函館競馬場と言うことで1コーナーの進入角度がキツイと言うことを頭に叩き込んでもらった上で、陸上競技のトラックをイメージして貰うとエエですわ。ビッシリ先行脚質の馬が揃うと、スタートから1コーナーにかけて通常の先手の取り合いのように内側に切れ込んでいくことが難しいんですわ。極端に言うと陸上のトラックの様にラインで区切られたコースのまま1~2コーナーを回るしかない不利が発生する可能性が、外側の馬になるほど大きくなるんですよ。その時外枠の馬が中途半端に先行してしまうと内よりも長い距離を走らされた分、2コーナーの出口では中段まで下がってしまうんですわ。それでも先行するには他馬よりも前半に力を使うことになりますよね。力の差が有ればそんなことはたやすいでしょうけど、ハンデ戦でこれだけ力差がなくなると大きなマイナスなのは誰が考えても分かりますわ。そやから、こんなレースの場合は内枠からロスが少なく先手を取れる馬か、初めから控えるつもりで後方に徹している馬とを組み合わせれば簡単に馬券が取れるんですわ。
これまで何度も書いてきましたが、この例えでスタートから2コーナーまでがいかに大切かと言うことが少しでも理解してもらえたんやないかと思います。特に力が接近している場合、4コーナーからゴールの部分は前半いかにして力を温存してロス無くレースを進めてきたかと言うことの裏返しだと思います。
このレースは別にレベルの高いレースやないですけど、私が普段、レベルの高いレースとそうでないレースを見分けるときの考え方の基本もここにありますわ。
「レベルの高いレース」に指定した理由 ①「駒場特別」
レベルの高いレースの中からどうして指定したのか、注目したのかを少しかい摘んで説明しようと思います。先月号の中から、担当0さんも興味があると言う「駒場特別」「猪苗代特別」を例に挙げて説明します。
まず、「駒場特別」の場合ですけど、このレースでは自分が特に注目していた2頭が出走していて、個人的にはどっちが強いのかと言うことだけに焦点を当ててレースを見ていました。その2頭と言うのが勝ったジャンボムテキと2着だったキングオブジェイでした。エイシンコービンやダンシングチアズなども出走していてそこそこ人気の馬ではありましたけど、私には全く興味の無い馬でした。なんでそれらの馬に興味が湧かなかったかと言うのはまた後で説明しますけど・・。
で、話を戻すと注目していた2頭は現5歳のダート路線を進む中でも5本の指に入る馬だと言う確信を持ってましたんで、焦点はどんな展開でどっちが勝つのかと言うことだけ。結局2頭で決着しましたけど、他の馬もそれほど離されたわけでなく、後々この経験は活きてくるだろうと感じたので、このレースの場合は馬の格から見た点を重視して「レベルの高いレース」と指定したんですわ。
この原稿の締め切り日が7月17日(土)なんですけど、競馬当日なので当然そんなことは無視して(^^;競馬をしていましたが、函館11R津軽海峡特別で断然人気のニホンピロジュピタの2着に人気薄のエンディングテーマが飛び込み馬連¥7780の波乱!この駒場特別で後方から2強に絡んでいき殺された馬ですわ。このレースで駒場特別をレベルが高いと指定したことに自信を持ったとともに、レベルの高いレースでどんな内容の経験をしたことが大事かと言うことを再確認しました。
単純に「レベル」に出走していただけでなくその中でどんなレースをしたかと言うことを頭に入れておけば、もっと狙いが絞れるはずやと思います。これはレースを見返すことのできない人でも、馬柱の通過順位に注目してたらエンデイングが後方から2強に絡んでいくレースを経験したことが判りますね。そしてもう1つ判ったことは、締め切りは無視するためにある!!(^0^)
「レベルの高いレース」に指定した理由 ②「猪苗代特別」
次に「猪苗代特別」。このレースの場合は先ほどとは全く違う観点から指名したレースやけど、レースを振り返るとこの日はコース上に水が浮くほどの不良馬場。ダートコースがこういう状態になると、逃げ馬が断然有利になってきますわ。逃げれなくても先行有利は必至!以前、東京で不良馬場の日にレイズスズランが異常なタイムで逃げ切ったのを思い出してもえるとエエと思います。そんな事は騎手なら誰でも判っているので、普段より先行する構えを取る馬が多くなりました。そのせいで向こう正面の中間辺りまで先行争いに決着がつかず、スターとしてからの先行勢は二転三転する無茶苦茶なレース展開。そうなると子供が見たかって簡単にゴール前が想像つきますわ・・。
やっぱり初めから後方で脚を溜めていた馬に軍配が上がりました。このレースの場合、展開が展開だけに普通の馬場状態なら着順はゴソッと入れ替わっていた可能性は有ります。はっきり言ってホンマはどの馬が強かったのかなんて判りまへん。ただ一つ言える事は先行した中でもそれほどバテテいないと感じれた馬に好感を持てたと言うことぐらいですわ。
あれだけのゴッチャついた展開ですから大きなストレスを感じて大敗した馬も居てるはずですし、この先ストレスの無いレースを走ったときに激走してしまう可能性だって高くなってくるはずやと思います。そういう観点からコメントには「先行馬には辛いレース」としながら「レベルが高いレース」としましたんや。
この様に、レベルが高いと判断する材料はただ一つの観点だけではなくいくつものパターンがあるわけで、もちろん私のレースの見方では発見できない「レベルが高いレース」が存在するはずですから、皆さんも自分なりに何か感じたレースはチェックしていき、そのレース出身馬を狙っていっても面白いんじゃないかと思いますよ。それがホンマにレベルが高いかどうかは別としてね(^^;
本邦初公開!「物差しレース、物差し騎手」
毎度毎度、同じネタで話の観点だけ変えて「レベル・・レベル・・」って読まされても正味のとこ皆さんも「またその話かい・・・」って飽きてきますやろ(^^;、なんせ書いてる私自身が飽きてるくらいですから(^^;
で、今回からはちょっと違う武器を出しまっせ。小出しにして行くのはホンマは私のポリーシーとは相反するわけでっけど、雑誌の作戦上売り上げを伸ばすことを考えたら当然の方法ですわな・・・。まぁ皆さんも、担当0さんの気持ちを汲んで我慢したってくださいや。そのうち先月号では切れてた顔を出させて謝らせまっさかいにな(^0^)
一年中競馬が行われているとどこかに基準、つまり”物差し”になるレースが存在していると思いませんか?実はちゃんと存在しているんですよ。知ってる人はいっぱい居るわけでちゃんと活かしてはるんですけどね。そのレースの結果を現在に至って振り返ることで意外な穴馬が発見できたり、不要な人気馬を自信を持ってブった切ったりすることが出来るんです。
先に名前を挙げた、エイシンコービンやダンシングチアズも「物差しレース」ですでに格付けが済んでいる馬なんですわ。物差しレース後にいくつものレースを経験し揉まれて強くなっていったとしても、「物差しレース」で計られた能力はいつまでたっても大きく逆転することはないんですわ。極端に言ってしまえばの話ですけどね。
簡単に言い表すと、それが普段よく耳にすることのある「格」ですわ。でも、どのレースが物差しになるのかをきっちり掴まんとあきませんねんで。
ではどこに「物差しレース」が潜んでいるかですけど、多くは4歳のクラシック路線上に存在しています。芝のレースの場合レース数も多くさまざまな路線が用意されていますので「物差しレース」を掴むのは容易なことではないんですけど、4歳ダートの路線は極端に比較的道が狭くなってますんで、物差しとして使えるレースを発見できやすくなってます。
先月号で名前を挙げましたけど昨年は端午S→白百合S(今年はホンコンJCTがこれに当たる)→菖蒲S、それにしゃくなげSが有力です。今名前を挙げたレースを振り返ってみていただくと、そのレースの結果の馬名を見ただけでビックリする人がいてるんや無いかと思いますわ。何を言いたいかと言うと、この4つのレースの結果が今5歳でダート路線を進んでいる馬の現在の格付けを物語っていると言うことです。もちろん4つのレースを統合して見ていく必要は有りますし、現在歩んでいる適性距離の事もまじえて考える必要はありますけどね。
冒頭で例に挙げた「駒場特別」を予想する上で、この4つの結果が頭にあるかどうかで全く内容の違う予想ができるんですよ。エイシンもダンシングも遥か1年前にキングオブジェイとは勝負付け、格付けが済んでいるんですよ。あの時点でも現在でも、格で言うと一クラス下な存在なわけで、勝負付けが済んでいなかった5歳馬がジャンボムテキと言うわけなんですわ。この馬だけは別路線で古馬に揉まれてきた馬で、私はその頃に能力が高いと感じていた馬ですわ。こう書くと「今までジャンボはダンシングやエイシンに何回も負けてるやないかい!」と反論される声も聞こえてくると思いますけど、その辺で間違ごうたらあきまへんねんで。物差しレースで負けてるんとちゃいますやろ?大事なんは物さしレースでどんな格を表したかと言うことで、それ以外ではホンマの決着が付いたわけじゃないと言うことなんですわ。
また今年も昨年と同じように「物差しレース」になり得るレースが行われましたから、今名前を挙げたレースをチェックしておくとエエと思います。ただ今年の場合ちょっと様相が違うと感じるのは、しゃくなげSのメンバーが、他のレースに比べメンバー全体が薄いと感じたこと。しゃくなげSを物差しレースとするよりも、2月に行われたヒヤシンスSを物差しレースと考えたほうがエエと思います。このヒヤシンスSは、以前の連載の時に「ユニコーンSに直結しそうなメンバー」と太鼓判を押したレースですからね。
そしてもう1つ様相が変わってきているのは、年々4歳ダートが整備され充実してきていることですわ。そう考えるとこの先も他の路線から「物差しレース」が出てくる可能性も高いですからね。え??そんな古い結果今更ワカレヘンって?何ゆうてまんのん・・・。週間競馬ブックやらギャロップやらのバックナンバーでも取り寄せるとか、プラザエクウス行って競馬四季報みるとかなんぼでも方法は有りまんがな・・・。大体その程度の努力を惜しむような人間が競馬で勝とうなんて虫が好すぎまっせ・・・・。そう言う人はエンピツに番号書いてコロコロしときなはれ(^^; そうじゃないお方は、この物差しレースの全着順を便所に張っときなはれや。いっつもそれ見て頭に叩き込むんでっせ。それを嫁ハンに文句言われたら「あほんだら、これがババの元になるんじゃ!」って(^^)
私はこの「物差し騎手」でレースの見方覚えました
物差し騎手と言うと、誰がなんと言おうと武豊ですわ。よく武が乗るから買わんとか、武が来ると安いからおもろないなんて声を聞きますが、現在の連対率は4割を超えてますねんで・・・。絶対に武を切るって人は初めから6割の的中率しかないところからスタートするわけです。まぁ今回の「物差し騎手」は、買う、買わんとか好きとか嫌いとかいうようなそんな事やないですからどうでもエエねんですけどね。
何が物差し騎手なんかと言うのは、レースの見方を覚える上で武豊と言う騎手がどれだけ重要かと言うのをお伝えしていこうというのが本筋ですわ。
私の競馬の師匠、私が競馬を見ることが出来るようになったのは、武豊のお陰なんです。彼を見ていてある日大事なことに気づいたんです。
来月号では武豊から学ぶレースの見方についてもう少し詳しく書いて行こうと思います。幸四郎ちゃいまっせ(^^;
あ、そうそう!便所の紙が無くなっても物差しレースで拭いたらあきまへんで!んん?その方がウンが付くって?今どき村上ショージでもそんなベタな事言いまへんで・・(--;;
編集部やHPの方にしばしば、「買い目(予想)を教えて」「××のレース(や馬)はどうか」とか「予想会社に参加して欲しい」みたいな申し出がありますが、そういうのは本人は一切お断りしてます。この連載もHPも本人が「オモシロイから」やっているだけなので、ありがたいこととは思いますが、過剰な期待はなさらぬようにお願い申しあげます。
今月のレベルの高いレース」リストと木下の勝負馬・馬名一挙公開!!
毎号掲載している「レベルの高いレース」に加えて、「レベルの高いレース」出身馬の馬名も合わせて掲載しました。これは木下のデータベースにも「要注意馬」としてチェックが入っているものです。ここに掲載しているレース名や馬名が出てきたら、とにかくチェック!後になって気付いたら「あっ!ここに載ってた・・・」なんてこと、ホントしゅっちゅうあるので、くれぐれもお見逃しなく。(7月28日時点の最新分)
初めて読む方に(99年9月当時の記事からの引用です。)
●木下健のプロフィール
3年前、それまで経営していた電気工事関係の会社をたたみ馬券生活者となる。理由は、勤めたままでは、競馬の研究をする時間がないから。以後、研究と実践に没頭し、2年半で彼が叩き出した馬券収入は約2000万円、年収に直すと約800万円。今年は5月時点ですでに250万を計上。大阪の郊外のマンションに住み、文字通り馬券で妻一人、娘一人を養っている。妻はよき理解者でもある。
●木下の方法とは
誤解を恐れず要約すれば、スピード指数を驚異的なレースの観察力で補う方法。いわば、デジタル(指数)とアナログ(レース観察)の融合。この方法で、従来の指数ではフォローできなかった部分の数値化に成功し、これまでにない厳密な能力の評価を実現した。(詳細は1~6月号バックナンバー参照)
●「レベルの高いレース」とは
日々馬券生活の中で、レースの中でもとりわけ馬の消耗度が激しい、厳しいレースがあり、そのレースを経た馬が後日連対馬を量産することを発見。木下はこの理由を”ストレス”や”流れ”という言葉で考えているが、本当のところは自身にも定かでない。
ともあれ、この考え方を取り入れることによって大きな成果を挙げている。またこれは指数では表せないものだが、木下自身実際の馬券購入の際は苦心して出した指数よりもこちらを優先することさえある。
●「レベルの高いレース」の使い方
「レベルの高いレース」で”負けた馬”を狙うのが基本。特に着順の悪かった馬はあまり人気にならないので配当的に妙味がある。連載中もこのレースの出身馬が多数万馬券を出しているのは周知の事実。すぐに穴をあけるところもあれば、2~3走してから走り出す場合もあるので、臨機応変に対応したい。とりあえず馬柱に「レベルの高いレース」があれば、赤ペンでチェックするところから始めてみては。