最強の法則2003年9月号
「回転襲歩」「夜叉襲歩」もゼニになりそうなニオイが・・・(- ☆)キラリ
前号までのあらすじ
木下がレースリプレイを見る際、不利やロスなど“馬単位”でチェックしておいてそれを馬券に生かす「UT馬」というファクターがある。
この「UT馬」の結果を検証している時、なかでも「1コーナーで不利、ロスなどがあった馬」が、一定のパターンでなぜか大穴をあけることを発見。
その理由を追求してみると・・・・「走り方に」激走の秘密が・・・
今回は先月号からの続きとなりますんで、先月号をもう一回読み直してもらえたらと思います(^^)。
前回、「1~2コーナーまででロスや不利が発生した馬」が激走する原因は、「ストレスの高いレースを経験した」ことに起因してるんやないかと仮定しましたが、この場合の【ストレス】とは不確定要素を大きくひとマトメにした総称であるにすぎません(^^;。]
「1~2コーナーまででロスや不利が発生した馬」がこれほどまでに凡退する原因となる、目に見えない【ストレス】の正体って一体なんなんでしょうか…。そのへんをもうちょっと突っ込んで考えてみたいと思うんですけど、なにぶん、目に見えんのでどう考えたらええのか…(^^;。
『所さんの目がテン!』(日本テレビ系)ってTV番組を知ってはりますかね?
イキナリ話は飛んじゃうんですが(^^;、3年ほど前にこの番組で『サラブレッドの速さの謎』と題して、馬の走法のメカニズムを解説してまして、それを見ながら感心した記憶があります。で、頼りない記憶を元にインターネットで『所さんの目がテン!』のホームページを検索してみますと、その放送内容が記事としてライブラリーにありしました。その説明が凄くわかりやすいんで、そのまま拝借(もちろん無断^^;)して皆さんに紹介してみたいと思います。
まずはサラブレッドの走りを見てみましょう。すると、なぜか序盤ウマの背が激しく揺れ、しばらくすると落ち着くのです。いったいこの差は何なのでしょう?そこにはウマの走り方の違いがあったのです。なんとウマは2種類の走りを使いこなすことの出来る生き物だったのです。スタート直後から10秒間の足のつき方は、まず後ろの左を、次に後ろの右、続いて前の右足、最後に前の左足と、足が回転するように着地しています。このような走り方を「回転襲歩」と呼ばれ、加速はいいのですが、安定性に欠け、すぐにつかれてしまう走り方です。ライオンなど、ネコ科の動物はこの回転襲歩で獲物を追いかけます。そのためダッシュはいいのですが、スタミナが続かず獲物に逃げ切られてしまうこともしばしばです。そしてウマは、回転襲歩で加速した後の足のつき方は、まず後ろの左足、次に後ろの右足、そして次に、回転襲歩と違い、前の左足が先について最後に前の右足が着地するというように、足が交差する形に変化します。こうした走り方は、「交叉襲歩」と呼ばれ、揺れが少なく安定するため、長く走ることが出来ます。このように、2種類の走り方を使い分けることで、時速70kmのトップスピードで5kmもの長距離を走りきることが出来るのです。
記事内容を簡単にまとめますと、
①、回転襲歩・・・加速はいいが安定性に欠け、疲労が著しい。
②、交叉襲歩・・・安定がよく、疲労度が少ない為、長く走る事が出来る。
って感じで、競走馬っていうのはスタートからゴールまで一貫して同じ走法で、スピードを上げたり緩めたりして走っているわけじゃないってことですね(^^)。
レース中の使い分けとしては、「交叉襲歩」は向正面などで比較的流れが落ち着いている時の走法で、「回転襲歩」はスタートダッシュ時の走法ってことですね。あと、いわゆる「手前を替える」という言葉は、こういうことと関係していることなんでしょうね。
これらのことを踏まえて、今回の「1~2コーナーまででロスや不利が発生した馬」に当てはめて考えてみました結果、ひとつの可能性のようなモンが見えてきました。つまり、ついつい先手争いが激しくなり、前号で紹介したカフェジュピターのように強引に先手を奪いに行った場合、スタートダッシュで使う「回転襲歩」を、いつもより長時間使う必要があるんではないかとゆうわけですわ。この行為がレースの前半に著しい疲労を蓄積させてしまい、結果的に大きく惨敗してしまうんではないかと思いますねんね(-☆)キラリ。 ことのついでなんでもっと詳しく知りたくなり、インターネットで色々調べていると、JRAの関係機関で【競走馬総合研究所】とゆうホームページを発見しました。
競走馬総合研究所:https://company.jra.jp/equinst/index.html
このHPでは馬の歩法についても説明してありまして、常歩、速歩、駈歩そして襲歩と4種類があると詳しく説明されてあります。そして、肢の着地の様子(歩様・の運び)から『対称性歩法』と『非対称性歩法』の2つに分けることができると書かれてありました。これらについて、一部HPの文章をお借りしながら(こちらももちろん無断^^;)、簡単に紹介したいと思います。
【対称性歩法】この歩法は歩行中、左右の肢の動きが、2分の1周期でずれている歩き方で、左右対称の動きをする。これには常歩と速歩がある。
○常歩・なみあし・じょうほ ( walk:ウォーク)
*1~1.5m/s (3.6~5.4km/h)
*パドックでのパレード、調教時の準備・整理運動に見る。
○速歩・はやあし・そくほ=ダク (Trot:トロット)
*調教前の角馬場での準備運動に見る。
* ハ行診断に使用。
【非対称性歩法】この歩法は左右の肢の動きが、1/2周期でない(左右対称でない)。これには駈歩と襲歩がある。
○駈歩・かけあし・きゅうほ (Canter:キャンター)
*6~10m/s (22~36km/h)
*調教時の角馬場での準備運動に見る。
○襲歩・しゅうほ (Gallop:ギャロップ)
*競走時の歩法で、速い時は70km/hとなる。
これがなんやねん!?って聞かれると答えに困りますが(^^;、要するに「歩いてても走ってても同じように見えてる脚の運びも、これほど色んな脚の使い方がある」ってことみたいですねん。でさらに『非対称性歩法』の時の「襲歩=ギャロップ」の中に『所さんの目がテン』のところで紹介した回転襲歩と交差襲歩の2種類の脚の使い方があるとし、次のような説明がなされてました。(下表参照)
今回の記事を書くに当たって、色々調べて考えてると、具体的なことは難しくて断言できませんが、「スピードやその他状況によって、走り方がかなり複雑に変化する」というのはまず確かなようです。
となれば「1角でスピード乗りすぎてる」とか「外へ膨らむ」などなど「レースの始まりから流れに乗れてない」馬は、距離損だけでなく、「走り方によるロス」も十分 あり得ると思いました(-☆)キラリ。
もしかしたら「引っかかって困る」とかいう状況等も、実はこの「走り方」による部分(つまりロスのある脚運びをしてる)もあったり、単に「ゲートが上手い」ってのも「回転襲歩がうまい」とか「手間を替えるのが下手」と呼ばれる馬は実は、「交差襲歩への切り替えが下手」と表現できる可能性が出てきて、今まで気づかんかった答えが見えそうで、面白そうやと思いました(^^)。
誰も知らないファクターかも?
さて、このファクターをどう発展させるか。どう活かすか。今後の展開を色々考えてみるわけですが、やっぱり一番私らしい方法としては【超アナログ的手法】(=レースを見る)で迫るのがええんやないかと思ってます。
そこでまず今考えてるのは、文頭の方で少し触れた競馬用語の"手前を替える"って行為についてです。【競走馬総合研究所】のHPで、「回転襲歩は、その後、自然に手前変換して交差襲歩に移行する。」と書かれているように、手前変換が走法変換のポイントであるならば、実際のレースで、直線に向くときに馬が手前を替える行為は、【変速】やと思えて仕方ないんですわ。もしそうならば、勝負どころでは交差襲歩から回転襲歩への【逆変速】、つまり加速行為が行われてるんじゃないでしょうか(-☆)キラリ。
もっと想像するならば、スタート後以外、実はレース中の色んな場面で、何度か変速行為が行われてるのかもしれませんね。そのあたりを、じっくりとレースビデオを観ながら、私なりの観点でもう一歩踏み込んで検証をしてみたいと思ってます。その結果がどうでるんか、今のところ想像はつかんのですけど、オモロイもんが見つかるような気がしてならんのですわ。つまり、回転襲歩で走ってる時間が長すぎたり、無駄に「回転襲歩」を多用して加速してしまうと、人間の常識を超えた惨敗を喫す場合があるんではないかと思います。逆に、このような考えは世間ではまったく浸透してないために、色々な敗因を人間がコジつけ、決め付けてしまってる場合が非常に多いような気がしてます(-☆)キラリ。このような敗因をハッキリ掴めれたなら、それは予想ファクター、補正ファクターとして 、十分に活用できるんやないかと思います(^^)。まだまだ、手探りの段階ですけど,何んかを見つけて来月号で発表したいと思います(^^)
木下がチェックした「1コーナーで不利、ロスなどがあったUT馬」のリスト