最強の法則2001年10月号
夏の上がり馬 秋の美味しい “買い時 見切り時”
まだまだ厳しい残暑が続きますが、朝夕にはすっかり秋の気配が感じられるようになりましたね。
この季節、競馬ファンはといえば、近づくG1の気配に心も浮かれ始めるのではないんでしょうか(^-^)。
中央場所に戻り、まもなくG1が始まるわけですが、例によって例のごとく、私はG1とは無縁の話題、別路線の話題を中心に書かせて貰います(^^;。
その方が読者の方には役立つ内容だと思うからです(^-^)
さて、どうしてもこの時期話題になるのが”夏の上がり馬 ”。夏の間に間にメキメキ力をつけ、連勝する馬や、古馬相手に好走したりする3歳馬がお決まりのように出現します。
それらが秋を迎え、休養していた実力馬と戦う事になるわけですが、いったい何処まで通用するのか?、予想する立場としては比較が困難だったりします。一口に夏の上がり馬と言っても、その中身はさまざまで、大きく分けると3歳馬と古馬になります。
まず古馬ですが、ローカル重賞のタイトルを獲った馬や900万あたりからオープンまで連勝を決め込んだ馬などいろんな上がり馬が存在します。
しかし、例年の傾向を参考に結論から申し上げますと、秋のG1で好勝負できる馬は極端に少ないと思います。
なぜなら、夏場に使われ続けて、たまった疲労というモノは思った以上に大きい。9月後半から約3ヶ月間続くG1シーズンで、目標とするレースまで好調を持続するのは難しいからです。さらに、こちらの理由がより本質的なのですが、G1で好勝負になる馬が存在せず、Bクラスの馬ばかリのレースで勝ち上がってきたとしても、それはあまり意味がないからです。
現実には、所詮その程度の価値しかないのです。真夏に行われる古馬G3は、出走メンバーの顔ぶれから本当のレベルはオープンより若干上といった程度。オープンは1600万クラスより若干上と、見かけの格付けより半分ほど評価を落として認識するほうがベターです。決して中央重賞常連馬との地力が接近したわけではなく、夏場はメンバーが薄いので何とかなってしまうことを頭に入れておいたほうが無難なのです。
いま言った二つの理由から、古馬の上がり馬の秋の狙い方が、おおよそ見えてきます。 この二つの理由から古馬の夏の上がり馬の秋の狙い方が大よそ見えてきます。
まず実力古馬の復帰戦となるレース。実力馬がそのレースを使ってくるのは、あくまで調整の意味合いが大きいはずですし、目標はあくまでも先にあり、無理をさせてこない場面が往々にして想像出来ます 。ですから、使われてきた上がり馬に信頼を置く方が無難と思われます。配当面でも期待値は大きいはずです。ただし、そのレースで上がり馬が勝ったとしても 、G1本番では間違いなく力がたりないので実力馬を狙うべきでしょう。
次に3歳の夏の上がり馬の場合ですが、こちらは一概には言えない部分があり、少し厄介です。
まず、その上がり馬がこれまでどういう経緯をたどってきたかを考えるのが、とても重要です。過去の例からも、夏の上がり馬の中で、秋になっても古馬や3歳G1クラス馬に通用する馬は存在します。しかし、そういう上がり馬は、たいていデビューが遅かったり、デビューしても順調に使えなくて、キャリアの浅い馬がほとんどです。、一方で、春のクラシック戦線でそれなりに名前を売ってきた、レース経験の多い馬が、夏の上がり馬だったとすれば、それは、名ばかりの上がり馬である可能性が高い。
では、まずはキャリアの浅い夏の上がり馬の狙い方を説明します。クラシック戦線で常に上位をに賑わしてきた実力3歳馬が復帰するレースでは、素直に春の上位組を狙いたいところ。しかし復帰して来た時期的や初の古馬挑戦などといったシチュエーションを考えると、やはりここでも実力古馬の復帰戦同様、実力3歳馬の使い出しも調整的な意味合いが強いと言えるので、絶対的な信頼は置けません。だから、順調に使われてきた分、夏の上がり馬を狙う方がいいケースもあります。ちょうど札幌記念のジャングルポケットとエアエミネムはこの例に当てはまります。
次に、クラシック戦線で掲示板に載ったり載らなかったりの微妙な位置付けの馬が復帰するレースの場合。完全に夏の上がり馬を信頼して大丈夫だと思います。というのも相手が本調子であろうが無かろうが、実力的にはすでに五分五分、いや、上がり馬のほうが上と言う場合が多いからです。配当的な妙味を考えるなら、復帰組みを切り捨てるくらいが、丁度良いのかもしれません。
最後に、菊花賞、秋華賞や古馬混合G1など本番での狙い方。本番で通用するおどの実力を秘めた夏の上がり馬がいたとしても、それは割り引いて考える方が無難でしょう。というのも夏場に使われ、蓄積した疲労はやはり無視できず、実力を本番で発揮できないケースの方が多いように感じ
ます。しかも3歳馬の場合、夏場の十分な休養は馬を大きく成長させると言います。加えて、競走馬の好調の持続期間は約3ヶ月だとも言います。十分に休養を取ってきた馬が、本番に向け徐々に調子を上げていくのに比べて、上がり馬は逆に下っていくと想像できますからね。夏に実力を見せつけた3歳馬は、秋も間違いなく人気の一角に押し出されます。ですが、今回言ったようなことをを考慮すると、馬券的妙味もありますので、その実力を割り引いて馬券を組み立てたくなります。
そういった夏の3歳上がり馬がそこで人気を裏切った場合、一旦休養を挟み、年が明けて再登場したときが狙いごろだと思います。またそこからがその馬たちの成長力が問われ真価が問われる正念場ではないでしょうか。
毎月お待ちかねのレベルの高いレースリスト。ここしばらく高回収率を誇っていた、リスト上位3頭のその後の単勝回収率ですが、先月掲載分の集計結果は90.2%と、珍しく100%を割ってしまいました(8月19日現在)。とはいえ、元来このリストは、“負けた馬”を狙うのが基本ですし、連対率を見ると40.9%となかなかの数字を残しています。リストの中から、トシザボスのような楽しみな3歳上がり馬も登場しましたし、このリストを軽視するとアッツイ目に遭うかも!?