最強の法則2000年9月号

札幌より函館の方がダート戦の時計がかかる秘密

 
 『まだ終わってないがな、夏競馬!!』と言う事で都合よく 本誌の発売日がラスト1回札幌と2回小倉に間に合うんで攻略ポイントなどについて少し考えてみたいと思います。

 今回提示した時計比較表は、あくまでも平均値ですんで、どのレースにも当て嵌まる訳では有りませんが、こういう風な傾向に有ると言う事を覚えていただけばエエのでは無いでしょうか。

 まず、函館と札幌の違いについて良く言われるのはダートの砂の重さじゃ無いでしょう?札幌は砂が軽くて函館は砂が重い。本当なのでしょうか?砂が重ければ走破タイムに現れてくるでしょうし、少し調べてみましょうか。

  表①をご覧ください。’97~’99の3年間で施行頻度の高いダート1000Mとダート1700Mについて1着馬から5着馬までのタイムの平均を調べてみました。紛れを少なくするため良馬場条件のみとしました。1000Mに関しては特に大きな違いは無いみたいですわ。まぁ私は1000Mなんて買う機会が殆ど無いんでどうでもエエんです。興味おまへん(^-^)

 じゃ1700Mではどうでしょうか?レース数の多い4歳未勝利から古馬900万クラスに掛けて約0.5秒~1秒程度時計が掛っている事がひと目で判りますね。そやからと言うて砂が重いと単純に決め付ける事は出来無いと思います。

 表①-1をご覧ください。これは札幌と函館のダートコースの断面図です。両方を比べると札幌は殆ど平坦で、函館は札幌よりも起伏に飛んでいる事が判ります。一般に砂が重いとされる函館はコースの2/3が上り勾配です。それにも関わらず時計の差は殆ど無く、砂が重くて力が要ると言う常識は少し疑ってしまいます。

 タイム差は砂の重さでなくコース体型による物と仮定して1700Mを考えますと淀みなく淡々と流れる分、札幌の方が少し時計が速くなるのではないかと思われます。登り坂に向けて余力を残す事を気にしないで良いのでテンからビッシリ速くなる展開も多く狙い的には4~5番手から好位差しが出来そうな馬が一番安心してレースを見てられるんではないでしょうか。

スローになりやすい芝コースは訳あり

 次に芝コースを考えてみます。表②をご覧ください。’97~’99の両競馬場の1着から5着馬までの平均タイムです。これも良馬場を条件としてみました。特に両方のコースについて大きく判る時計的要素は見当たりませんでした。強いて挙げるとすれば2000Mで若干函館の方が時計が速く感じるくらいでしょうか・・・。これもダートコースと同じく平坦という事で平均的に淡々と流れるからだと思います。注意したいのは芝の場合淡々とペースが進むとそのままスローペースに陥りやすいという事です。ダートの場合は直線だけでは届かないことが判り切っているのでそれなりに仕掛け時も早く、激しくなり一気のペースアップが見られますが、芝ではダートに比べ直線だけの勝負にこだわるむきも多く一気にペースアップと成らない為ではないでしょうか 。

 さて、芝コースにも大きな違いは見つけられなかった両競馬場なのですが少し視点をずらすと結構大きな違いを発見できましたわ。前回の号では芝コースの特徴として『開催の前半と後半で馬場の恩恵が逆転する』と言う項目が有りましたが、その部分でもう少し突っ込んで観察してみます。

函館と札幌は芝が違う、ここで注意が必要

 表③をご覧ください。これも両競馬場の頻繁に行われる距離の時計比較です。ただし、連続開催という事で1回札幌&2回札幌・1回函館&2回函館に別けて作ってみました。どうでしょうか?両方の競馬場でハッキリとした違いが現れていますよね(^ー^)ニヤリ。


 まず1回・2回函館をご覧ください。開催別に見ましても大きくココが違うという部分は見られませんよね。そればかりか殆ど同じ時計だという事に逆にビックリですよね。

これは芝コースの痛みが極端に少ないという事が現れていると考えてまず間違いないと思います。現在1回函館競馬最終日が行われている状況で毎週、目を皿のようにして芝コースの状態を見極めていましたが依然として先行有利の馬場状態が続いていますからね。

 では、札幌はどうでしょうか? 明らかに違いが出ていますよね。レース施行回数が1回しか無い極端な条件は参考になり難いため省いたとして、どの距離、どのクラスにおいても0,5秒~1秒程時計が余計に掛ると統計上は出ています。これは馬場の悪化が確実に影響していのるが原因ではないでしょうか?。

 それでは次に開催別による連対馬の脚質の違いを少し見ておくとしましょうか。

状態を考えて脚質に頼ると穴馬券が獲れる

 表④では連対馬をクラスに関係なく距離別で別けて表しました。1回・2回と札幌開催全体でみると先行・差し脚質の連対が7~8割を占めています。距離が伸びるごとに逃げ馬の連対が低くなっていく事が目立ちます。では、開催別ではどうでしょうか?。開催を重ねるごとに短距離では差し・追い込み馬に有利な馬場状態と成って行くようです。これは馬場状態の悪化と考えてよろしいかと思います。

 逆に開催別では距離が伸びるほどに逃げ・先行馬が有利な状況になっています。馬場状態が悪化しているにも関わらず、この結果はどう言うことなのか考えてみました。

 開幕週のまっさらな馬場状態では間違いなく逃げ・先行馬が残るレースが目立ちます。その状態は2~3週程度続きます。その後、段々と後方からの脚質でも届くようになってきますのでこの辺りから徐々に馬場の悪化が進行し『開催の前半と後半で馬場の恩恵が逆転する』現象が見られるようになって来るはずです。ココまでは良いのですが、それでもなを統計上は馬場状態が先行馬に有利に働くのか・・・。

 その原因には<コース替わり>が含まれている事も有るでしょうね。しかし、あくまで推測ですが最大の原因は見た目以上の馬場の悪化と思います。一般的に考えるとスローでは平均して逃げ・先行馬が有利になってきます。先にも述べたように淡々と流れる確率の高い札幌コースでは馬場が悪化してスローになったときには差し馬が届き難くなるのではないでしょうか。メンバー的にスローが見込める場合は人気、実力に関係なく逃げ・先行馬を狙うのが面白そうです。

 もう1点スローが多くなる原因は実力馬の復帰にも有ると思います。実力馬の場合ある程度後方から差す競馬をする馬が多いですから、それらの馬が出走してきた場合必然的に他馬もマークする競馬になることが多く、自ら動くに動けない展開が見られるからスローペースに陥る事が多いのだと思います。

小倉の馬場読みはちょっと難しい

   次に小倉に関してですが、競馬場の改修が行われて参考になるレース数も少ないためいい加減な部分はどうしても残りますが、開催を前半と後半に別けてみた場合、札幌と同じように若干時計に陰りが現れてきます。 ただ、調べていて一つ気になる点がありました。昨年’99の開催と今年’00の開催では時計に大幅な違いがあるということです。

 表⑤をご覧ください。もちろん今年の1回小倉は4歳になって間もない若馬が出走してますんである程度時計は低くなるでしょうから、古馬の時計だけを比較しても1秒から2秒は遅くなっている計算ですね。

 原因は判りませんが、可能性としては芝の違いでしょうか・・・?冬の時期は長い洋芝を使い、夏の間は短い和芝を使っているのでしょうか。ちょっと調べきれませんでしたので申し訳ないですが(^^;。和芝の場合は痛みが激しいので昨年の連続開催と同じような明らかな変化が走破時計に現れてくると思われます。

 となると残り小倉の1開催は札幌同様の狙いが立つのでしょうか?

 しかし、’99の1回小倉も夏開催の時計と殆ど変わらないタイムが出ていましたので季節によって芝が違うとゆうのもどうでしょう・・・。

 仮に2回小倉が1回小倉並みの遅い時計だとすれば例えば阪神で連対の高い馬の活躍も予想されるのではないかと少し気になりました。この辺になると血統に強い方の出番でしょうね。私にはさっぱりワヤですわ(~~;) 

さてさて、1年半も原稿を書かせて頂いていると私自身、正直書くネタがありません・・・(~~;。元々理論で攻める競馬じゃ無く、直感でやってきた私にはかなり厳しいもんがありまして・・・(^^;。

 そこで次回からは連載当初の原点に戻って私なりのレースの見方や走破時計の補正の仕方、つまりアナログ的要素を写真などを使いながら説明していきたいとおもいます。

 ホンマはこれが一番理解しにくく説明もしにくいんですけど、誰もが興味ある部分やと思いますんで(^-^)。