実は私『武豊フリーク』ですねん(競馬最強の法則03年6月号より)

例年、都会より幾分か涼しかった、私の住んでいる田舎でも、猛暑猛暑の日々。

少々、夏バテ気味のスタッフ・クマゴロウです。

先日、札幌競馬場で行われた、ワールドオールスタージョッキーズ2022。

優勝した武豊ジョッキー(53歳)は、30年ぶりの大会優勝。自身のHPでは「年齢を自慢したくはありませんが、53歳は最年長記録になりました。」と報告されてました。

まだまだ、若手には負けないで現役を続けてもらいたいです♪

私が優勝を予想した騎手は、まさかの最下位。。。馬券同様、世の中ムズカシイことだらけです。

20年前になりますが「競馬・最強の法則」の紙面で、木下健は「実は私『武豊フリーク』ですねん(^^;」の記事を掲載。

※「フリーク」とは、物事に熱狂している人・マニアのこと。

優勝記念?に、記事内容をご紹介♪

「人気ジョッキーを買うか?切るか?」「騎手の特性」のヒント満載です。


武さんは「嫌う」より「好きになって弱点探すほうが全然儲かりまっせ(^^)/

今月号(2003年6月号)の競馬最強の法則は「武豊全方位研究」とゆう内容で、大々的に特集を組むので、私にも武(豊)さんについて書くように指令が出ました。そんなわけで、今回は武さんについて書いていきますけど、その前に私は、かなりの武豊フリークだとゆうことをお断りしておきます(^-^)。
競馬を予想する上でも、観戦する上でも、私の頭の中は常に武さんを意識してるほど、非常に大きな存在であります。これまでの長い連載の中で、武さんについて何度も触れてきました。
今の私があるのは、武さんの競馬があって、それを見てこれたから、と言っても過言じゃありませんわ。
そんな感じやし、当然、今回の企画は大歓迎やし、武さんについて否定的なことを書く気なんか、サラサラないってことだけはゆうときますね(^^;。

データー的な事は他のコーナーで徹底的にやってくらしいんでそちらにお任せしますが、私も最初の一つだけはデーターからのお話を…。

2002年度、中央競馬での武さんの成績は1着133回・2着66回・3着57回・4着42・5着36回・着外123回で、勝率29.1%・連対率43.5%・複勝率56.0%でした。
最近は競馬をするのに家を出てすることがほとんどなくなりましたんで「武豊は嫌い(馬券的に)!」って話も聞かんようになりましたけど、10年以上も昔、場外馬券売り場で競馬新聞と赤ペン片手に競馬してた頃は、「また武かいな…」とか「武やから切ったんやがな(**)」とか「武のアホんだらっ(~~;)!」ってゆうような泣き言やら暴言やらを、イヤっちゅ~ほど聞いてました。今では武豊フリークの私も、そないゆうてた人間の一人でした(^^;。

私のツレ(友達)の中には「武豊だけはナニが何でも絶対に買わん!」ってゆうヤツもいてましたし、皆さんの周りにもこんなヤツが一人くらいはいてるんやないでしょうかね(^^;。まぁ私も、今やからこそいえるんですけど、連対率が45%近くもあるって事は、武豊は嫌い(馬券的に)!」やゆうて、ナニが何でも切り捨ててしもた場合、そいつが購入した馬券が単純に的中する可能性は55%しかないってことなんですよね。
競馬とは当たり馬券が100%存在するはずなんですけど、45%は外れ馬券からのスタートになるんで、勝てる可能性自体少ないってことになってしまいますわな(**)。武豊を切ったからって、武さんのブッ飛んだレースを的中できたんかってゆうと、決して的中できたわけではないハズやし、一体どこでどう勝つねん??って話になってきますわな(^^;。

そやからとゆうて、武さんばっかり買うてたらええかてゆうと、決してそうではないですよね。人気を被ってしまう分、回収率期待値は自然と低くなってしまうんで、厳選して買わんことにはトリガミの連続になってしましいますからね。 まぁこんなことは、今さら私がいわんでも誰でもわかりきっとることですけどね(^^;。 そんなわかりきった中、データーじゃなく、私が感覚的に感じてる武さんの話を一つ二つと書いてみよかと思います。

「アタリが柔らかい」ゆえの意外な弱点(~~;

巷でよくいわれる、武さんとその他の騎手の大きな違いに「アタリの柔らかさ」というのがあります。馬に対してのアタリとゆうのは感覚的なモノで、言葉や文章では表しにくい、実に微妙な部分ですし、私みたいな馬に跨ったこともない人間の口から、どうのこうのいえるモンではないんで、説明は避けますね(^^;。 けども、彼の「アタリの柔らかさ」というのは、レースを見てるこちら側にも十分に伝わってきてまして、その成果を一番感じやすいのが勝負どころでしょうね。

普通の騎手は、勝負どころで手綱を懸命に押して馬を操作しますけど、武さんが躍起になって押すシーンはあまり見る機会がないように感じます。それどころか、他の騎手が懸命になって押す馬の横を、彼の騎乗する馬が手綱を動かすことなく上昇していくシーンを目にすることさえあります。つまり、それまでの道中での力の発揮させ方とゆうか、温存のさせ方がまったく違うんでしょうね。そのために勝負どころで他の馬が手綱をシゴかんと動かんところも、彼の騎乗馬は馬ナリで追走できるんでしょう。そして、極力、余力を残したまま直線を向えることが出来るんで追ってさらに伸びる。

これこそが彼の「アタリの柔らかさ」がなせる技やと思います。そやけども、この「アタリの柔らかさ」が逆に弱点になることかってあるんです。そこを上手に利用したら、「武やからこそ切り捨てる!」場合も発生してくるっちゅ~もんですわ(-☆)キラリ。

「砂の短距離の差し」はとってもデンジャラス

彼の弱点を単刀直入にゆうと、それはダートですね。もっとゆうと,ダートの短距離ですわ。もっと特定すると「短距離ダートの差し馬」ですわ。彼は絶対にこんなタイプの馬は苦手なはずです(-☆)キラリ。
彼の特徴は「アタリの柔らかさ」ですけど、それが通用しにくい部分がダートにはあります。武さんのダート戦を見てると、先行馬とダート差し馬では追い方が全然違う印象を受けます。

先行馬の場合は、馬と人との呼吸で手綱を操作して押しきるとゆう感じがして、ヤル気満々で勝ちにきてるのが伝わりますけども、差し馬や追い込み馬になってくると、手綱を使うよりも、ほとんどを鞭に頼って追い込んでくるって感じで、キツイ言い方をさしてもらうと、実は「最初から着拾いに徹してました…」って感じがします(~~;)。 おまけに彼のムチの使い方ときたら、「一応形だけやっとくか…」って感じで「ぱすんぱすん」と手を振り下ろしてるだけのように映ります。私はその光景を見るたびに、ダビスタの騎手を思い出させます…(~~;)。現在の中央競馬では、トップレベルの地方騎手が大活躍してますよね。笠松から中央に移籍したアンカツさんなんか、すでに中央通算200勝を挙げてますもんね(^^)。
彼ら地方騎手の追い方を見てると、武さんの弱点が浮き彫りになってきます。一番の違いはダートでの馬の追い方にあると思います。地方騎手たちの場合は、武さんとは正反対の追い方で、ムチよりも腕力で押すというか、膝で押すというか、体全体で持ってくるとゆう感じがありありと伝わってきます。
こと、ダートでの追い方、どちらの方が馬が動くかとゆうことに関しては、地方騎手の方が一枚も二枚も上なのは間違いないと思います。
現在の武さんは、フランスと日本を行ったり来たりして、素晴らしい活躍をされてますけども、最初はフランスじゃなくアメリカを選びましたよね。私はそのとき、「もしかしたら武さんは、自分の弱点を自分でわかってるから、ダートの本場アメリカを選んだんちゃうかなー」なんて思ったりもしました。彼の騎乗を見る限り、どう考えてもフランスの方が合いそうやのに、わざわざアメリカを選んだのは、そんな部分もあるんちゃうかなってね。まぁ、私の勝手な妄想であって、真意のほどはわかりませんけどね(^^;。
まぁ、勝手な推測ですけどね~。

コスモブレーンを誰が人気にしたんか?(2003年の記事)

今(2003年)の中央競馬の常識として、「武豊が騎乗する=人気になる」とゆう図式があります。これは否定できん事実ですわ。仮に年間50勝ほどを挙げる中堅クラスの騎手が、ある馬に騎乗した場合、3番人気どまりやったとしても、武さんが同じ馬に騎乗してたら、間違いなく1番人気に推しだされてますわ。
これは、騎乗技術の違いや実績の違いからも当たり前な話なんで、仕方のないことですけどね(^^;。
ただし、馬券を買う人間の、「武豊やから買う」とゆう行為が人気に推しだすというよりも、競馬新聞等の専門紙・スポーツ紙のトラックマンが「武豊やから印を一つ二つ甘めに打つ」って部分が人気馬に推しだすと表現した方が正解ですわな。
失礼を承知で発言させてもらいますけど、聞くところによると、こういう人らって、自分の仕入れた情報を鵜呑みにすることと、早起きすることだけが得意のアホも多いらしく(~~;)、武さんが乗るって理由だけをプラス材料に印が増えてるとしたら、その人気は明らかに過剰人気であって、実際は頼りないモンってことですわな。私のように、複勝コロガシをメインとしてて、常に単複のオッズを見てる人間から言わしてもろたら、武さんの騎乗馬が明らかに過剰人気になってる現実が、目に余るくらい目につき、人気がさらなる人気を呼んで異常人気とゆう結果がもたらされてるのは違いありませんわ。

そんな事例はたくさんありますんで、最近のものをひとつ。
武さんのお手馬に、現在3歳のコスモブレーン(牡・栗東・中村均厩舎)というダートの差し馬がいます。彼のもっとも苦手とするタイプの馬ですわ(-☆)キラリ。同馬は、1番人気に推された飛梅賞(1月11日・3歳500限定ダ1800m)で、最後方からのマクル競馬で4着に敗れた後、距離短縮の1400m戦(2月2日・3歳500限定ダ1400m)に出走し、そこでも2番人気で中団後方から直線だけ追い込んで2着に敗れました。この2戦ともに、武さんの典型的なダート差し馬の騎乗の仕方に映ったし、ペースを読んで勝ちに行ったとゆうよりも、着を拾いにきたとゆう感じの強いレースでした。

そして問題は、中1週はさんで出走したその次のレース(2月15日・3歳500限定ダ1400m)。前走のレース内容と乗り替わることなく武騎手が騎乗となれば、1番人気は疑う余地もありません。オッズを確認してみると、単勝1.7倍の断然の1番人気で、単勝シェアは約47%と、武騎手にしてみたら珍しい光景でもなんでもないことで、半数近い人は、この馬が、武騎手が、勝つと感じてたことになります。

しかし、私みたいに複勝コロガシをメインとする人間からいわせてもろたら、いくら武さんが乗ろうと、こんな馬の単勝なんか怖くて怖くて買えませんって(‥;)。いや、武さんやからこそ買えんのですわ…(^^;。 これがアンカツさんや小牧騎手や岩田騎手が騎乗してたら、買えた可能性は増えていたと思います。ダートなんてモンは、前でレースをする馬が基本的には断然に有利なんです。その中で後方脚質の馬を買う必要性ってゆうのは展開やトラックバイアス(馬場状態)等で、後方有利と感じる場合か、よっぽど力が抜けてるかだけですわ。しかも短距離戦やし、届かん可能性の材料が揃いすぎてます。それでも届くと期待するんであれば、あとは騎手の技術しかありませんわ。でも、先に説明したように、こんなタイプの馬には武さんの騎乗スタイルは逆にマイナスなんですよ。

結果はドンケツから追い込んで頭差の2着。この馬の勝ちを確信してた人には信じられん結果やったかもしれませんけど、武豊フリークの私にとっては、100%当たり前の光景なんです(^-^)。
そして、この人気を作りあげたのは間違いなく買う側の人間ですけど、1.7倍になるまで買わせたのはメディア側の人間であるのは疑う余地もありませんわ。

この次に出走したレース(3月8日・3歳500限定ダ1200m)は、さらに距離短縮の1200m戦でした。もうそろそろ気付いてもエエ頃やと思うのに、ここでもまた2戦連続の1.7倍の1番人気ですわ…。

そして結果は、今回にいたっては最悪の3着でした。距離短縮してるんやさかいに、さらに届き難くなってるし、武豊フリークからいわしてもらうと当然の結果ですわ。
さらにその次のレース(3月23日・3歳500限定ダ1200m)。ここではそろそろ信頼度も落ちたために単勝は2.6倍でしたけど、それでもまだまだ1番人気はキープ。結果はさらに最悪の4着。いったいどれだけの武豊がらみの馬券が紙屑になったことでしょうか…。

まぁ、そのお陰で私らは儲かるんで別にええんですけど、まぁメディアのダンゴに振り回されてる人が気の毒なんで、今回の機会に書いてみただけですわ(^^;。

武豊が大好きで、武豊フリークなだけに目につく弱点が、これ以外にも少々あります。武さんに限らず、嫌いな騎手や馬は極力作らん方がええと思います。「安いから」とか「嫌いやから」とかで切り捨ててては何の意味も、なんの役にもたちません(~~;)。

「嫌う」んじゃなく、「好きになって弱点を見つけ出して馬券に生かす」ほうが、絶対に儲かりまっせ。

2003年6月号の記事より


※武豊ジョッキーは、2022年8月末現在55勝。複勝率37.8%です。