“A-base分析官” クマゴロウ『CL馬を分析!』(基礎編)

こんにちは。スタッフのクマゴロウです。

春のGⅠも終了し、今年もそろそろ折り返し地点。皆さま、今年前半の馬券成績はいかがでしょう?

今日は、いつもご紹介しているおかしな法則の話ではなく、マジメに競馬を分析してみたいと思います。

題して「“アルファベース分析官” クマゴロウ」。最初のテーマは、『CL馬を分析する!』…始まります♪

アルファベース「CL馬印」

アルファベースFULLで、出馬表の中に表示されている「CL」のマーク。(FULL以外のご利用でも、CL馬を簡単に見つけることができます。その方法はこちら。)

FULL出馬表の馬名の右横に「赤い四角、もしくは青い四角の中にCLの文字」で表示されています。

CLマーク参考:2022年秋華賞のアルファベースFULL出馬表

以前に、「木下健の馬券術」で書かれた「一番人気CL馬が活躍しやすい条件」2020年3月11日)と、「『CL印・CL馬』活用法」(2020年3月10日)の記事でも、この「CL馬」が取り上げられています。

※トップページ下、「木下健の予想術 - デジタル編 - 」から、該当記事をご覧いただけます。

先日、木下さんから「CL馬の成績を、もう少し検証してみたいんやけど…」という話をいただきましたので、今回のよもやま話では、超マジメに「CL馬」の分析(調査期間を、2020年~2022年)を行ってみたいと思います。

ところで、CL馬って何よ?

という方も、いらっしゃると思いますので、まずは「CL馬・CL印」の説明から…

「CL馬」とは?(CL馬の定義)

アルファベースではクラスレベルをこのように設けてあります。

基準値を満たす指数は出馬表で『赤』。基準値より-1~-3は『青』。-4~-6は『緑』で表示されます。成長期にある2・3歳馬の基準値は年間を通して変動します。

CL馬 C=クリア・L=レベル

クラス基準を満たす『赤』とクラス基準にやや足りない『青』の馬に、さらに『過去5戦以内』かつ『過去8か月以内』という縛りを持たせ、それをクリアした馬をCL馬と名付けています。

ちなみにこの5戦以内とか8か月以内という部分は、自分の経験というか感覚で設定したラインです。もっと調べ込む事で最適なラインが見つかるかもしれませんが、その辺はまた今後の課題という事で。

※アルファベースFULLの「CL馬」解説より

CL馬出走レースは、どのくらいあるの?

レース数の定義についてはJRAのホームページで以下のような記載があります。

「中央競馬の開催については、法律に規定された上限に基づき、一般的な年であれば、全国10ヵ所の競馬場で288日、1日最大12競走を実施しています。」

'20~'22年は1年間に3,456レースが行われ、3年間では延べ10,368レースに及びます。

アルファベースでは障害戦と新馬戦を除いた9,091レースの出馬表をご提供してきた計算になります。

9,091レースのうちCL馬が出走していたのは5,110レース('20年は1587レース、'21年は1800レース、'22年は1723レース)ありました。

これは全レースの約56%で、半数以上のレースにCL馬は出走していました。

ちなみに、2020年~22年では、CL馬が1頭だけ出走しているレースは2266レース、2頭出走しているレースは1753レース、3頭以上出走しているレースは1091レースでした。(以下のグラフを参照ください。)

全レースのうち約6割がCL馬出走レース。

CL馬の成績は、どうなの?!

CL出走レースでの成績を集計してみると…

全レース中、約7割が複勝圏内、さらに約4割が1着という、なかなかの好成績です。

ほほう!CL馬を買ったら7割は複勝圏にくるということ?!

おっと、ちょっと待った~!

CL馬が1頭しか出てないレースと、何頭も出ているレースでは意味が違うのでは?

例えば、9頭立てでCL馬が7頭も出ていると、必ず1頭は馬券に絡むわけだし…そのへんはどうなんでしょう?

タヌキ様のおっしゃる通りでございます。CL馬が何頭も出走しているレースは、その可能性もあり。

CL馬の同一レースの出走頭数について等々、条件を分類して分析する必要があります。

そこで「1頭だけCL馬が出走しているレース」をCL1と名付け、これにフォーカスを当てて分析してみます。

CL1の成績は?

CL1の成績を調べる前に、前出の「CL馬の定義」を簡単におさらいします。

おさらい「CL馬の定義」

・CL馬には、赤CL馬と青CL馬がいる。

赤CL馬は、クラス基準を満たす馬。

青CL馬は、クラス基準にやや足りない馬

・選定基準は『過去5戦以内』かつ『過去8か月以内』


CL1には、赤CL馬が1頭の赤CL1と、青CL馬が1頭の青CL1の2タイプがあります。

まずは赤CL1を調査しました。(以下、参照ください)

赤CL馬の勝率は44.1%、連対率は61.9%、複勝率は71.2%とかなりの好成績でした。

芝・ダート別で見るとダートの方が好成績で、勝率48.6%、連対率66.3%、複勝率75.1%と、どの項目でも芝の成績を12%程度上回っていました。

レース数はダートの方が圧倒的に多いので、買えるレースが増えるという事は儲かる確率も上がる?!
これはなかなか耳寄りな情報ではないでしょうか。

ただし「赤CL馬」は、クラス基準を満たしている馬ですので、当然といえば当然なのかもしれません。

さらに深堀り!赤CL1の1着馬

赤CL1で勝利した赤CL馬124頭を調べると、そのほとんどがAかA+XYZgで、その割合は89.4%。
ほぼ9割をAかA+XYZgが占めていました。👍

といっても、そもそも赤CL馬は高ランキング馬。
残念ながら複勝圏を外した81頭も、そのほとんどがAかA+XYZgでした。😅

脚質で見ると、通過順位は中段より前(※10頭立てなら5番手より前)の馬が大半の87%を占めます。

この脚質をヒントに一つの発見がありました💡
それはダート戦でハナを切った逃げ馬

ダート戦の勝ち馬88頭(勝率48.6%)のうちの32頭、36%がハナを切った馬でした

追い込みは少なめ。中段より前めでの勝利が基本か?

次に、青CL1を調査しました。(以下、グラフ参照)

青CL馬は「クラス基準にやや足りない馬」なので、赤CL馬に比べて、勝率では約20%、連対率と複勝率に関しては約10~15%程度、成績が落ちます。

とは言っても、約6割近くは複勝圏内に絡んできますので、こちらも悪くない数字だと思います。

赤CL1と明らかに違ったのは、芝もダートも結果には大差ないということ。

芝ダート問わず狙いが立つので選択肢が広がるのはうれしいですね。

さらに深堀り!青CL1の1着馬

青CL1の1着馬をみても、そのほとんどがAかA+XYZgの高ランキング。😜

ただ、赤CL馬と同じように青CL馬もAやB、XYZの上位ランキング馬が多し。ですので、複勝圏を外した馬もAやB、XYZの上位ランキング馬が多し。です😅

脚質も赤CL馬と同じように、通過順位は中段より前(※10頭立てなら5番手より前)の馬が大半の88%を占めます。

さらに勝ち馬も23%がハナを切った逃げ馬。(ダート戦は28%)
赤CL1同様に、青CL2でも逃げ馬には注目すべきと思われます。

青CLレースも追い込みは少なめ。中段より前めでの勝利が基本か?

危険なCL1を探す🔎

逆にCL馬がぶっ飛んでしまったCL1を調べると、何か違った傾向が見えるかもしれません。

馬場状態、クラス昇級、ダート・芝替わり、距離替わり、コース替わり、斤量増減、馬体重増減など、思いつく限りを検証してみましたが、イマイチ傾向が見えず…

「馬体重+8Kg以上で負ける傾向がある?」と思い、検証してみましたが「馬体重+8Kg以上で勝った馬も多し」と、こちらの思った結果にはならず…


そんな中、ちょっと面白い発見がありました。💡

それは…『鞍上乗り替わり』です。

CL馬がぶっ飛んだレース(赤CL馬、青CL馬問わず)の約半分は、乗り替わりでした。

勝率がいい騎手⇒勝率が悪い騎手へ乗り替わったら、成績が悪くなるのは当然じゃない?!

確かに私もそう思ったのですが…

勝率がいい騎手➡️勝率が悪い騎手への乗り替わりだけじゃなく、その逆の勝率が悪い騎手➡️勝率がいい騎手への乗り替わりも、同じような結果に。

『鞍上乗り替わり』自体が、何かしらの要因になっている気がします。

さらに深堀り!「乗り替わり」

芝・ダート別にぶっ飛び傾向をみると

CL1では、芝レース63.9%ダートレース51.1%

CL1では、芝レース58.9%ダートレース44.0%

いずれも芝レースでの乗り替わりは、ダートレースよりも10%以上ぶっ飛び率が高く出ました。

意外だったのはクラス基準を満たしている馬が出走するCL1が、芝でもダートでもCL1よりぶっ飛ぶ可能性が高いという点です。

強いはずの赤CL馬が、逆に馬券にならない傾向にあるとは驚きの発見でした。

これは今後の馬券作戦に大きな影響を与える気がしました。

芝レースの鞍上乗り替わりには、要注意!

いかがでしたでしょうか?アルファベース分析官・クマゴロウ「CL馬を分析する!」。

次回は、実際にCL1の馬券購入時のヒントを探ります!題して「CL1を狙う!」。

「○番人気」「単?連?それとも三連?(馬券種)」等を考察!!

皆様のアルファベース活用のお役に立てるよう、研究を進めていきたいと思いますのでご期待ください!


アルファベース分析官” クマゴロウシリーズ

・集計にはTARGET JVとJRA-VANのデータや、EXCELなどの表計算アプリを活用し集計しています。

・集計には、細心の注意を払っておりますが、データ量が多いため、いくつか見落としているデータがあるかもしれませんが、その際はご容赦くださいませ。